| 2010年12月13日 
 
 
 
 去る2010年12月7日(火)に【スキル標準ユーザーズカンフェランス2011】が開催されました。 昨年から日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)との共催になり、ITSSのみならずUISSの発表も多くなされ、大変盛況でした。トータル約650名が参加されました。   今号から2回にわたり「スキル標準成熟度モデル小委員会」の発表内容を解説します。 実は、発表時間が10分程度しかなく、十分な発表とはほど遠いものでした。 その意味もあり少し詳しく解説いたします。 
  
 
 アジェンダは以下のとおりです。  1.スキル標準成熟度モデル小委員会  2.背景と目的  3.スキル標準成熟度モデル小委員会の活動結果  4.IPA表彰制度とその課題  5.“IPA表彰制度「セルフチェック」”とSMM「セルフアセスメント」とのマッピング  6.まとめ    
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用       1.本小委員会のメンバーは以下のとおりです。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     昨年と同じです。 変わりありません。   2.背景と目的です。 【背景】 まず、背景ですが、IPAの「人材白書(2010)」によると、ITSSの普及はかなり進んでいます。 従業員数1,001名以上の大企業においては、「現在活用している」「現在活用を検討している」が合計90%を超えています。そのため、図のように −大企業におおいてはITスキル標準の普及がほぼ完了している と謳っています。 一方、中小IT企業(特に300名以下)では、ITSSの導入はまだ50%にも達していないことが分かります。そのため   −中小IT企業へのスキル標準の導入を促進することが緊急の課題となっている と課題を明確にしています。筆者もまったく同感です。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     IPAは中小IT企業にITSS導入促進の施策の一つとして、2010年度に「IPA表彰制度」を実施しました。ITSSを導入している優秀な中小IT企業を表彰しようとするものです。  それは、私たちのSMMと表現こそ違うものの、似たような構造で企業における人材育成の成熟度を測定しようとしたものです。そこでこの似た構造の2つの成熟度モデルを組み合わせるとよりよいものになるのではないかと考えています。   【目的】 IPAが今年実施した「IPA表彰制度」と、私たちが昨年作成した「スキル標準成熟度モデル」を組み合わせることにより、中小ITベンダーにおけるITSSの普及に貢献しようとするものです。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     3.スキル標準成熟度モデル小委員会の活動(2009年) 今年の活動の前に、昨年の活動を振り返ってみます。 詳しくは昨年の発表資料を参照してください。 http://www.ssug.jp/docs/conference2010_pdf/seminer1-5-2.pdf   また、弊社Webページでも解説してあります。  URL: http://www.kbmanagement.biz/sub201.html  URL: http://www.kbmanagement.biz/sub202.html  URL: http://www.kbmanagement.biz/sub203.html     【スキル標準成熟度モデル】の策定 昨年策定した、「スキル標準成熟度モデル」です。 レベル1(Adhoc):   スキル標準を導入するべきか様子を眺めている。 確立されたプロセスはない。 レベル2(Managed): スキル標準を導入した。個別プロセスがあり、PDCAが回っている。    しかし、スキル標準導入による効果までは出ていません。 レベル3(Defined):  全プロセスが有機的にリンクされている。  スキル標準導入による効果が出始めます。 レベル4(Quantitatively Managed): 有機的に結合されたプロセスが、定量的に管理されていて顕著な効果が出ている。 レベル5(Optimized): 定量的に管理された全プロセスが、最適化されている。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     スキル標準成熟度モデルの詳細については、下記URLのWebページを参照ください。  URL: http://www.kbmanagement.biz/sub201.html   【実証実験の結果】 昨年は約20社の協力を得て、SMMの実証実験を実施しました。その概要です。   大手IT企業(3,001名以上)の結果 さすが、大手は概ねレベル3に近い成熟度を示しています。組織によりプロセス領域毎のレベルにはかなりばらつきがみられます。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用       1,001名〜3,000名の企業の結果です。 ばらつきが目立ちます。レベル3以上の成熟度の高い組織もあれば、まだ導入を検討している(当然、成熟度の低い)組織もあります。   昨年の実証実験については以下のWebページを参照ください。  URL: http://www.kbmanagement.biz/sub202.html   
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     300名以下の中小ITベンダーです。 バラツキもありますが、成熟度の低い(レベル2未満)組織がほとんどです。 これは、IPAのIT人材白書の中小ITベンダーにスキル標準が普及していないことを裏付けるものです。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     昨年の「スキル標準成熟度モデル」小委員会の活動結果を見ると、スキル標準の中小ITベンダーへの普及の必要性が高いことがお分かりになると思います。   
 
 
 
  
 
 
 
 
 
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