| 2010年12月22日 
 
 
 4.IPA表彰制度とその課題   中小IT企業がスキル標準を活用してもらうための、促進対策として、IPAはいくつかの施策を実施しています。例えば、「IPA表彰制度」が本年度の目玉として登場してきました。   ■中小ITベンダー人材育成優秀企業表彰制度(略称:IPA表彰制度): 中小ITベンダーにおいて、経営戦略に即したIT人材育成の取組みを、スキル標準(*)を活用して組織的に実践し、その取り組みがIT業界の産業構造の変革に対応しており、企業組織全体が活性化されている企業を表彰します。
   そしてその基準として「セルフチェック」があります。   ■セルフチェック: セルフチェックの素点値が、一定ライン以上の場合、経営陣の承認と主体的 な意思に基づき、IPAが行っている人材育成優秀企業表彰制度(以下、表彰制度と称します)に申し込み、二次審査(派遣審査員による現地審査)を受検することができます。   なかなか良さそうな制度ではないでしょうか。 では、その表彰制度とセルフチェックの内容を見てみましょう。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     かなり、抽象度が高いことにお気づきになると思います。 別にITスキル標準に限ったものではなさそうです。能力のレベルを測定し、高めて行けさえすれば何でもよろしいようです。料理学校のシェフでもかまわないし、ホテルマンでも良いのでしょうか。それをIPAが表彰することに意味があるのでしょうか? 逆に、ITスキル標準を活用するとしたら、具体的に何をしたらよいのでしょうか。これだけでは見当がつきづらいですね。   別のセルフチェックの項目です。この「マネジメントに対する教育」はないよりはあった方が良いと思いますが、ITSSとの関係が良くわかりません。今後の説明を期待したいと思います。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     
 
 課題をまとめると以下のようになります。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     抽象度の高い「表彰制度のセルフチェック項目」をより具体化するために、もう一つ下の階層の診断方法が必要ではないでしょうか。そうすればより具体的な対策が取りやすくなります。 その下位階層の診断ツールとして、私たちが作成した「スキル標準成熟度モデル」が活用できないでしょうか。   5.“IPA表彰制度「セルフチェック」”とSMM「セルフアセスメント」とのマッピング そこで、「表彰制度のセルフチェック」と「SMMのセルフアセスメント」の2つをマッピングを試みたのです。   
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     具体的なマッピング図です。参考図だとお考えください。 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用   
 見にくい点はご容赦ください。まだ最終版ではないのでぼかしてあります。クロスリファレンスがしっかりとれることが分かります。 抽象的な表現もこのようにマッピングすることで具体的にITスキル標準として何をするべきかが明瞭になります。これなら、不足点に対する対策案が具体的に講じられるのではないでしょうか。   
   6.まとめ 
  
 スキル標準ユーザーズカンフェランス2011発表資料より引用     以上2回にわたり、連載しました「スキル標準ユーザーズカンフェランス2011レポート」を終了いたします。 是非、忌憚のないご意見をお寄せいただければ光栄です。
   よろしくお願いします。 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 |