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ビジネス戦略/
ビジネス効果 |
人材像/
GAP分析 |
教育体系/
キャリア計画 |
レベル認定 |
その他 |
レベルV |
・ビジネス戦略に基づき人材像が規定されている(スキル標準とリンクしている)
・顧客満足につながっている |
・同左
・定期的にスキル診断がされていて、スキル向上が見える化している
・エンジニアのモチベーションが高い |
・スキルギャップに基づき教育がリンクしている
・個人のキャリア計画が明確
・教育効果レベル3(行動変容)が測定されている |
・社内とグループ企業で同じ基準で認定している(外部コンサルが関与している) |
・スキル標準が少しずつビジネスに効果が出てきているが、まだ顕著ではない
・部分最適で、全体最適にはなっていない |
レベルV: スキル標準がビジネスに結びついているレベル
・
定期的にスキル診断をし、各個人の個別スキルの向上が見える化されている。
・
スキルギャップに基づき教育体系が作成されている。
・
スキルギャップの解消が見える化されている。
・
エンジニアのモチベーションが高く、顧客満足につながっている。
・
教育が人材戦略に明確にリンクしている。
・
教育の効果測定はKirk PatrickのLevel3(行動変容)以上が測定できている。
・
ビジネス戦略に基づき人材像が定義され、ITSSにリンクしている。
・
社内のモノサシと市場でのモノサシが一致しているので、必要に応じて外部から適切なレベルの人材が調達できている。
・
認定プロセスが定義されていて、エンジニア全員が認知している。
・
(社内とグループ(関連)企業で同じ基準でレベル認定している。認定には外部者の第3者(コンサルタント)が関与して、外部と同じ基準を担保している。)
いかがでしょうか。このレベルVでやっと効果が出てきているといえます。
レベルUであきらめてしまってはいけません。ぜひレベルVまで到達していただきたいと思います。
ここまで来ると、レベルUでの問題点はすべて解決します。
1.
ビジネスへの貢献
ビジネス戦略と整合がとれていますから、人材の能力発揮がそのままビジネス結果に結びついています。ビジネスに本当に必要な人材像が定義され、正しくレベルが認定されています。
人材の能力(スキル)が企業価値に反映しています。
2.
エンジニアの満足
自分のスキル、業績がそのまま認定されますから、従業員満足度は高まります。その結果、顧客満足も高まってきます。レベルに応じた仕事をアサインされていますから残業に追われることも少なくなります。学習する余裕も生まれ、ビジネスに必要な研修のみならず、自分のキャリア計画を考慮した研修を受けることもできます。自分のためになることを学習しますから、学習動機も高く、教育効果も高まります。
3.
適切な処遇
人事部門が先行するのではなく、ビジネスのニーズに合った人材を認定していますから、何の抵抗もなく適切に処遇(人事制度)に反映されています。
社内のモノサシと市場のモノサシが共通化されていますから、必要に応じて外部から優秀な人材を調達できています。
4.教育効果
耳慣れない言葉が出てきたかもしれません。
Donald Kirkpatrick(アメリカの教育学者)が1975年に発表した、教育の効果測定の4つのレベルです。
レベル1: 満足度
レベル2: 理解度
レベル3: 行動変容
レベル4: ビジネス結果
成熟度(Maturity Level)と同じ「レベル」という用語を使っているので、混同しがちです。ご注意ください。
レベル1(満足度)は研修後の受講者にアンケート実施し、どの程度満足したかを測定します。
殆どの研修ベンダーで行っているのでよくご存じだと思います。
レベル2(理解度)は、研修後に理解度テストや試験などを実施し、どの程度学習内容を理解したかを
確認します。 おもに知識研修で行っています。
レベル3(行動変容)は研修実施後に、どの程度受講者の行動レベルが変化したかを測定するものです。
上司や同僚による観察で測定したりします。スキル研修などで重要になりますが、残念ながら、
あまり多く実施されていません(特に日本は少ないようです)。
レベル4(ビジネス結果)は研修実施により、どの程度、ビジネスの結果に貢献できたかを測定する
ものです。 最も重要なものですが、残念ながら日本では殆んど実施されていません。
そのため経営サイドでは教育効果が把握できず、予算の削減対象になってしまっている
ケースを多く見受けられます。
残念に思います。工夫次第でやり方はいくらでもあります。
では、成熟度レベルVが完璧な状態でしょうか。実はまだいくつか課題があります。
・やっと、ビジネスとスキル標準が結び付いたレベルです。まだ、ビジネスをリードする
には至っていません。
・認定がグループ企業のみで、まだ完全に統一されているわけではありません。
最後の項目でカッコが付いている部分ですが、暫定的です。というのは、外部の第3者の
コンサルタントが不足していてまだ現実性が低いからです。レベル認定のコンサルティング
ができる人材が市場で不足しています。ITSSユーザ協会認定コンサルタントの中でも
限られています。
将来的には、認定機関(ISOの場合はJQAや日科技連などが有名です)が将来必要に
なるかもしれません。今後の課題だと思います。
・プロジェクト内での人材は最適化できていますが、まだ組織全体での最適化は
できていません。部分最適どまりです。
これらの課題を解決するのが次のレベルWです。
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