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 【ビジネスニーズを定義する】 (その3)

20091026


 

1.3 顧客セグメンテーション

全ての企業・顧客を自社が囲い込むわけにはいきません。どうすれば、広大で種々雑多な市場にアプローチすることができるでしょうか。そのためには市場を分割(セグメント分け)します。

 

セグメンテーションを考えます。

市場を似たもの同士に分割しましょう(このことをセグメンテーションといいます)。セグメンテーションは大きな市場を分割して同じ対応ができる小グループにすることです。すなわち、マーケティング戦略上、同質と考えられる程度に市場を細分化するのです。そして自社に有利な狙うべきセグメントを探します。

 

いくつかの分割方法があります。業界、地域、ニーズ、使い方、価値、などはその代表的なものです。

コンシューマですと、男女別、年齢層、学生/社会人、生活様式、など、まだいろいろありそうです。携帯電話などはコンシューマの典型です。シルバー向けの文字が大きく読みやすい表示や、GPS機能付きで今どこにいるのか教えてくれるものもあります。女子高校生向けの可愛い携帯などなど....

 

セグメンテーションに使われる、代表的な軸は次のようなものがあります。

 -地理的変数

 -人口動態変数(性別、10代、20代、など)

 -心理的変数

 -行動変数

 -製品の使用パターン

 


BABOK(R)ガイドの「基礎コンピテンシ-」の業界知識をご覧ください。ここには顧客セグメントの重要性がしっかり述べられています。


目的(WHY) 定義(WHAT) 効果的な方策(HOW)

業界

知識
ビジネスアナリストは自分が所属する業界について知らなければならない。 業界での競争力を知ること。年代・性別区分などによるさまざまなセグメントの顧客に共通する特徴。ビジネス要求を明確にするため、業界に影響を与えるメジャーなトレンド、それに対する競合他社の動向。その競合に対抗するために必要な変更を組織に推奨する。

・業界に関連事項

・業界のトレンドを把握する

・組織の競合とパートナーの知識

・主要な顧客セグメントの知識

・共通の製品・製品タイプの知識

・関連団体やジャーナルなど、

 業界に関する情報源の知識

・業界標準のプロセスやメソドロジーの知識

・業界の法的環境の理解

BABOK(R)ガイド(筆者訳)


ビジネスアナリストの業界知識としても顧客セグメンテーションは常識として必要だということです。

 

以下はPC市場のセグメンテーションの例です。2つの異なる顧客セグメンテーションをご紹介します。

最初のセグメンテーションです。大きく2軸に分解します。ひとつはコンピューティングニーズで、エントリ、アドバンスト、エキスパートなどです。もう一つの軸はコミュニケーションニーズです。限定的(スタンダローン中心)、単純なネットワーク、そして双方向コミュニケーションです。

パソコンでは男女別、年齢などまだあまり関係のなかった時代のようです。




ただ、どちらかというと、機能・性能重視した、製品中心的なセグメンテーションとなっています。

 

もう一つのセグメンテーションを見てください。

一つの軸は、企業やチャンネルのタイプで、小規模企業および小売り業、中規模企業とVAR、そしてエンタープライズ(大企業)です。別の軸は作業環境です。ローカルなワーキンググループ、リモート顧客、バーチャルオフィスなどです。これは顧客中心のセグメンテーションといえます。