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「ITビジネス戦略」事始

2.   お客さまは誰からあなたのソリューションを買おうとしますか(チャンネルは)?

2.1     販売チャンネル

  販売チャンネルを無視した製品・サービスの戦略は決して成功しません。

  どんなに良い製品(コアプロダクト)でも、最適なチャンネルがなければ適切な市場(お客さま)に到達することができません。お客さまに到達できない限り、正しい顧客ニーズの把握ができませんから、製品・サービスそのものも魅力ある商品からかけ離れたものになってしまうことになります。どんなに技術的に優れていても、結局は市場から消え去る運命となってしまうことでしょう。

  

残念ながら、このチャンネルの重要性に気付いていないIT企業を多く見受けます。例えばSIer。システム開発で培った技術(ノウハウ)をパッケージ化し外販しようとするのですが、適切な販売チャンネルを持っていないため、失敗する例が後を絶たないようです。物を開発してからチャンネルを考えるのでは遅すぎます。開発する前に、企画の段階で適切なチャンネルを考え、もしチャンネルがなければ、開発を断念するのも選択肢です。また技術だけライセンスするという選択肢もあります。いずれにしても、開発をスタートする時点で販売チャンネルが明確になっていないと成功には程遠いということです。

  逆に、もし適切なチャンネルを持てば、製品開発に顧客ニーズも正しく反映することができます。「喜びのニーズ」も知ることができるかもしれません。それが差別化につながります。

 

では、製品・サービスを開発する労力と販売チャンネルを開拓する労力はどちらが大きいのでしょうか。実はチャンネルを開拓する労力のほうが大きい場合が多いのです。それだけ、このチャンネルはビジネス戦略にとっても重要な位置づけにあります。

 

お客さまと私たちのつながり方は、直線だけではありません。他にも登場人物がいます。

 社内、サプライヤー、パートナーの強い点を探しましょう。

 外部環境では、機会と脅威の両方を考えましょう。 

 扱うソリューション・サービスによって、チャンネルは大きく異なります。

 SIでは直接チャンネルが有効ですが、製品・サービスでは間接チャンネルも考える必要があります。

 ビジネスの特徴により、最適なチャンネルを選ぶ必要があります。

 

2.2      セグメンテーション

  競合に行く前に、セグメンテーションを考えます。

どうすれば、広大で種々雑多な市場にアプローチすることができるでしょうか。市場を似たもの同士に分割しましょう(このことをセグメンテーションといいます)。セグメンテーションは大きな市場を分割して同じ対応ができる小グループにすることです。

いくつかの分割方法があります。業界、地域、ニーズ、使い方、価値、などはその代表的なものです。コンシューマですと、男女別、年齢層、学生/社会人、生活様式、など、まだいろいろありそうです。


ご自分のビジネスのお客さまのセグメンテーションを考えてみてください。

−どのようなセグメントが考えられるでしょうか。

−いくつぐらいあるでしょうか。

 

それを考えてから、次へお進みください。



[続く]


本稿へのご意見、質問を歓迎します。

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