レベルVの特徴です。
・CMMのレベル3(定義されたレベル)に相当します
・全プロセスがビジネス戦略と整合(リンク)しています
・顧客満足度調査が実施され、結果が教育体系計画に反映されます
(レベル4: 教育が実施され、次回の顧客満足度調査で効果が把握されている)
・従業員満足度調査が実施されます
|
ビジネス戦略/
ビジネス効果 |
人材像/
GAP分析 |
教育体系/
キャリア計画 |
レベル認定 |
組織文化
その他 |
レベルV |
【ビジネス戦略】
【顧客満足度調査】 |
【スキル分析/定義】
【人材像策定】
【キャリアモデル提示】
【スキル診断(GAP分析)】 |
【組織トレーニング(教育ニーズの統合)】
【個人別教育計画】
【メンタリング】 |
【社内認定(外部コンサルコンサル関与)】 |
(参加型文化)
【従業員満足度調査】
注)全プロセスが有機的にリンクされている(Defined) |
【レベル認定】プロセスの全体の位置づけです。
トータルプロセスのPDCAの中では、チェックとアクションに相当する極めて重要なプロセスです。
「ビジネス戦略」分野と「人材像/GAP分析」分野が全体のPLANに相当します。目標としてTobeのキャリアモデル(人材ポートフォリオ)が作成されます。この目標(人材ポートフォリオ)を達成するべく、「教育体系/実施」分野で人材育成を実施します(DO)。
「レベル認定」分野では人材ポートフォリオどおりに人材が育成できたかを【社内認定プロセス】により判定します(Check)。目標どおりに人材が育成できていれば、「ビジネス戦略」分野と「人材像/GAP分析」分野にフィードバックし、翌年の戦略作成に反映します。人材育成が不十分な場合は、教育体系の見直しなど、様々な対策(Action)を講じます。
上の図をご覧頂けるとお分かりになると思いますが、人材育成の全プロセスの要(かなめ)となる重要なプロセス分野です。
それでは、プロセスの詳細を見ていきましょう。
社内認定プロセスに関しては、IPA発行の「社内プロフェッショナル認定の手引き」(以下「認定の手引き(IPA)」)を参照してください。
URL: http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/V2data/ITSS_syanai_nintei200706.pdf
【社内認定】プロセス
8つのサブプロセスからなります。各々の解説は「認定の手引き(IPA)」を参照してください。修正したプロセスと追加したプロセスを中心に解説します。
プロセス1: 制度設計
「認定の手引き(IPA)」を参照してください。
プロセス2: 制度公開
「認定の手引き(IPA)」を参照してください。
プロセス3: 認定申請
「認定の手引き(IPA)」を参照してください。
プロセス4: 書類審査
「認定の手引き(IPA)」を参照してください。
プロセス5: 面接審査
基本は「認定の手引き(IPA)」です。
追加することは、外部コンサルタントに関与してもらうことです。他社のレベルとの誤差を最小限にするために必要です。グループ企業同士、元請け・下請けの間での調整をしてもらいましょう。
この最終レベル認定が、ITスキル標準導入のプロセス全体のCHECK機能に位置づけられます。
PDCAサイクルの中で極めて重要です。
プロセス6:フィードバック
審査結果を本人にフィードバックし、合格不合格にかかわらず、良い点、改善点を認識してもらいます。将来的(成熟度レベル4では)には、「キャリア面接」との融合を考える必要が出てきますが、成熟度レベル3では、別のプロセスとして扱います。
プロセス7: ROI策定
「教育体系・実施」分野での【ROIの試算】プロセスで試算したROIを結果をもとに策定します。Tobe人材ポートフォリオ(目標)のROI試算がどこまで実現できたかを算出します。これもPDCAのCheck機能です。
プロセス8: 是正プロセス
ITSS導入プロセス全体の中でも極めて重要なプロセスです。
Input: Tobeキャリアモデル(人材ポートフォリオ)
確定キャリアモデル(人材ポートフォリオ)
Output: ビジネス戦略へのフィードバック
人材戦略へのフィードバック
教育体系/実施 へのフィードバック
以下のような活動が含まれます。
1.目標を達成した場合: ビジネス戦略、人材戦略、教育体系 へのフィードバック
2.目標を達成しなかった場合: 満たないポートフォリオでビジネス遂行への影響を考えます。
応急処置:追加教育の実施、その他。場合によっては追加認定が必要になる場合も
あります。その場合のプロセスを事前に作成しておく必要があります。
再発防止策:
−教育体系の見直しが必要になります。教育計画も見直し、目標未達成の真の原因
を探ります。 教育プログラムの妥当性が問われます。追加教育の検討。ROIなど。
−人材戦略へのフィードバック: 必要なら人材戦略(人材ポートフォリオ)の見直しが
必要になります。
−ビジネス戦略へのフィードバック: ビジネス目標の妥当性などを検討します。
すなわち、この「是正プロセス」はITスキル標準導入プロセス全体のACTION機能になります。ここがしっかりしていないと、全体像としてのPDCAが回らず、効果が半減してしまいます。
|