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スキル標準成熟度モデル(SMM: Skill Standard Maturity Model)Ver 0.1
               (その8)


レベルVの特徴です。

CMMのレベル3(定義されたレベル)に相当します

・全プロセスがビジネス戦略と整合(リンク)しています

・顧客満足度調査が実施され、結果が教育体系計画に反映されます

 (レベル4: 教育が実施され、次回の顧客満足度調査で効果が把握されている)

・従業員満足度調査が実施されます

 

 

ビジネス戦略/
ビジネス効果
人材像/
GAP分析
教育体系/
キャリア計画
レベル認定 組織文化
その他
レベルV 【ビジネス戦略】

【顧客満足度調査】
【スキル分析/定義】

【人材像策定】

【キャリアモデル提示】

【スキル診断(GAP分析)】
【組織トレーニング(教育ニーズの統合)】

【個人別教育計画】

【メンタリング】
【社内認定(外部コンサルコンサル関与)】 (参加型文化)
【従業員満足度調査】

注)全プロセスが有機的にリンクされている(Defined)



【レベル認定】プロセスの全体の位置づけです。

トータルプロセスのPDCAの中では、チェックとアクションに相当する極めて重要なプロセスです。




「ビジネス戦略」分野と「人材像/GAP分析」分野が全体のPLANに相当します。目標としてTobeのキャリアモデル(人材ポートフォリオ)が作成されます。この目標(人材ポートフォリオ)を達成するべく、「教育体系/実施」分野で人材育成を実施します(DO)。

「レベル認定」分野では人材ポートフォリオどおりに人材が育成できたかを【社内認定プロセス】により判定します(Check)。目標どおりに人材が育成できていれば、「ビジネス戦略」分野と「人材像/GAP分析」分野にフィードバックし、翌年の戦略作成に反映します。人材育成が不十分な場合は、教育体系の見直しなど、様々な対策(Action)を講じます。

上の図をご覧頂けるとお分かりになると思いますが、人材育成の全プロセスの要(かなめ)となる重要なプロセス分野です。

 

それでは、プロセスの詳細を見ていきましょう。




社内認定プロセスに関しては、IPA発行の「社内プロフェッショナル認定の手引き」(以下「認定の手引き(IPA)」)を参照してください。

 URL: http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/V2data/ITSS_syanai_nintei200706.pdf

 

 

【社内認定】プロセス

8つのサブプロセスからなります。各々の解説は「認定の手引き(IPA)」を参照してください。修正したプロセスと追加したプロセスを中心に解説します。

 

プロセス1: 制度設計

 「認定の手引き(IPA)」を参照してください。

 

プロセス2: 制度公開

 「認定の手引き(IPA)」を参照してください。

 

プロセス3: 認定申請

「認定の手引き(IPA)」を参照してください。

 

プロセス4: 書類審査

「認定の手引き(IPA)」を参照してください。

 

プロセス5: 面接審査

基本は「認定の手引き(IPA)」です。

追加することは、外部コンサルタントに関与してもらうことです。他社のレベルとの誤差を最小限にするために必要です。グループ企業同士、元請け・下請けの間での調整をしてもらいましょう。

この最終レベル認定が、ITスキル標準導入のプロセス全体のCHECK機能に位置づけられます。

PDCAサイクルの中で極めて重要です。

 

プロセス6:フィードバック

審査結果を本人にフィードバックし、合格不合格にかかわらず、良い点、改善点を認識してもらいます。将来的(成熟度レベル4では)には、「キャリア面接」との融合を考える必要が出てきますが、成熟度レベル3では、別のプロセスとして扱います。

 

プロセス7: ROI策定

「教育体系・実施」分野での【ROIの試算】プロセスで試算したROIを結果をもとに策定します。Tobe人材ポートフォリオ(目標)のROI試算がどこまで実現できたかを算出します。これもPDCACheck機能です。

 

プロセス8: 是正プロセス

ITSS導入プロセス全体の中でも極めて重要なプロセスです。

 Input:  Tobeキャリアモデル(人材ポートフォリオ)

       確定キャリアモデル(人材ポートフォリオ)

 Output: ビジネス戦略へのフィードバック

       人材戦略へのフィードバック

       教育体系/実施 へのフィードバック

 

以下のような活動が含まれます。

 1.目標を達成した場合: ビジネス戦略、人材戦略、教育体系 へのフィードバック

                  

 2.目標を達成しなかった場合: 満たないポートフォリオでビジネス遂行への影響を考えます。

    応急処置:追加教育の実施、その他。場合によっては追加認定が必要になる場合も

あります。その場合のプロセスを事前に作成しておく必要があります。

    再発防止策:

     −教育体系の見直しが必要になります。教育計画も見直し、目標未達成の真の原因

を探ります。 教育プログラムの妥当性が問われます。追加教育の検討。ROIなど。

     −人材戦略へのフィードバック: 必要なら人材戦略(人材ポートフォリオ)の見直しが

必要になります。

−ビジネス戦略へのフィードバック: ビジネス目標の妥当性などを検討します。

 

すなわち、この「是正プロセス」はITスキル標準導入プロセス全体のACTION機能になります。ここがしっかりしていないと、全体像としてのPDCAが回らず、効果が半減してしまいます。