| 2009年11月16日 
 
 
 2-3 テクノロジーライフサイクル  ここでは、市場セグメントと同様に重要なテクノロジーライフサイクルについて検討します。   テクノロジー製品・サービスの場合、このテクノロジーライフサイクルを理解することが極めて重要です。イノベーター、アーリーアダプター(ビジョナリ)、アーリーマジョリティー(実利主義)、レイトマジョリティ(保守主義)、ラガード(懐疑派)の順番で製品やサービスを使用してくれます。 テクノロジーにかかわらず新しい概念の商品・サービスでも当てはまります。例えば、このBABOK(ビジネスアナリシス)もまったくこの通りに適用されます。 
 
  
 
    イノベータ : ハイテクおたくです。何でも新しい技術を人より先に使います。 結果的にそのテクノロジーが使い物にならなくてもあまり気にしません。  ビジョナリ : 新しい技術が問題を解決してくれるのがわかれば人より先に使用してくれます。 他人がまだ使っていなくても気にしません。リスクを進んでとります。 革新的なことを求めます。   実利主義 :  実用性を重んじますが、他者の導入事例を確認してから使用します。            リスクを管理します。改善を求めます。  保守主義 :  業界標準になるのを待ってから、導入します。リスクを避けます、コストも気にします。  懐疑派  :  テクノロジー製品には見向きもしません。他に選択肢がない場合のみ仕方なく使用します。
   BABOK®を考えるとよくわかります。いま、IIBA日本支部主要なメンバー(理事や研究部会のメンバー)はイノベータやビジョナリ-です。またIIBA日本支部会員もビジョナリ-だと思います。ユーザー企業の情報システムの方々は他社の導入事例を気にしている実利主義や、業界標準になるのを待っている保守主義です。多くのITベンダーも同様です。検討しているのはビジョナリです。   イノベータとビジョナリで形成されるのが初期市場です。初期市場では、コアプロダクトが優れていれば、多少使いづらくてもイノベータやビジョナリはテクノロジー製品(サービス)を使用してくれます。 こうして、新しいテクノロジー製品・サービスはまず、初期市場のお客さまに浸透していきます。一見ビジネスが順調に見えるときです。   BABOKはまさに初期市場です。BABOKガイドが日本語化されていなくても導入しようとしている人たちが形成しているのが初期市場です。この市場を立ち上げようとボランティアで日本支部を支えています。研究部会に参加し、新しいBABOKを勉強したり導入事例を研究したりしています。   一方PMBOKはすでに、保守主義まで浸透していると思います。ここまで来れば成長率は鈍化します。 データを見れば一目瞭然です。2005年をピークに年ごとのPMP取得者数は鈍化しています。それでも2008年は3000人以上がPMP資格を取得しました。 
  
 PMI日本支部公表データより 
 
 
 
 
    
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
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