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                ETSS事始め
                  (その7)



5.  教育研修基準とは

5.1 全体像

ETSSでは、スキル基準、キャリア基準とともに重要な教育研修基準について、解説します。

 −教育プログラムフレームワーク

 −教育プログラム、科目、など

 −具体的なカリキュラム

などについて、解説します。

そして、最後に

 −ETSS教育研修の現状と課題

について述べていきます。

 

全体像をベン図で図示すると下の図のようになります。


 

5.2 教育プログラムフレームワーク

ETSSでは、「教育プログラムフレームワーク」を、人材育成を目的とした、教育プログラムの構造や仕組み、と定義しています。

 

Inputとして、「受講者」の人材像(As Is

Output: 「あるべき姿」の人材像(To Be

 

この間のプロセスの主な構成要素として「教育プログラム」が位置付けています。


 

Inputとして、「受講者」の人材像(As Is

Output: 「あるべき姿」の人材像(To Be

この間のプロセスの主な構成要素として「教育プログラム」が位置付けています。

 

具体的には下の図です。



 ETSS 2008年版 より引用    

 

人材育成の基本です。入力と出力を明確にし、その間のプロセスを明確にするという、システマチックなアプローチです。ここで大事なのは、出力(Output)を具体的に明確にすることです。後で解説しますが、ETSSではこの出力がきわめて具体的に描ける構造になっていますから、間のプロセス(教育プログラム)も作りやすいと思います。


 

5.3 教育プログラム

5.3.1 教育プログラムとは

 ETSSでの定義:

「教育対象とする人材(受講者)を、目標とする人材像(あるべき姿)へ育成するために、必要となる科目と適切な履修順序の組み合わせ」 (ETSS 2008年版より引用)


5.3.2 教育プログラムとキャリア基準

キャリア基準で説明した、スキル分布特性を思い出してください。



ETSS 2008 「キャリア基準」より

 

例として、ソフトウェアエンジニアのレベル2の人材像を考えます。Outputとしての人材像を同じソフトウェアエンジニアのレベル3とします。上のスキル分布特性を90度回転すると、次の図のようになります。



 ETSS 2008年版 より引用    

 

2つのスキル分布特性の差(GAP)を埋めるための、教育プログラムが真ん中のプロセスの部分に相当します。こうすることによりシステマチックなアプローチが簡単にできます。

これにより、教育プログラムの定義の前半部分、「教育対象とする人材(受講者)を、目標とする人材像(あるべき姿)へ育成するために、」がお分かりになると思います。

後半の「必要となる科目と適切な履修順序の組み合わせ」についてこれから説明します。

 

5.3.3 科目

科目の定義です。

「特定の技術分野に対する知識やスキルを習得するために、必要となる教育項目の組み合わせ」

教育項目はスキル基準で定義されていた、各スキル(技術要素、開発技術、管理技術)の第3階層までのスキルを使用します。



ETSS 2008年版 より引用    

 

各科目の教育目標(学習目標)にはETSSのスキルレベルを利用して設定することになります。

 




では、具体的な教育カリキュラムの内容を見ていきましょう。