番外編: [SSI-ITSSのパーソナルスキルの定義]
ここでは、V2用SSI-ITSSのパーソナルスキル定義について解説します。
従来から、ITSSではパーソナル分野を「コミュニケーション」「リーダーシップ」「ネゴシエーション」
の3つのスキルを定義しています。しかし残念ながらその中身は乏しく、具体性に欠けていると言わざるを得ない状態です。
例えば「リーダーシップスキル」は以下のとおりです。
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リーダーシップの基本や原則の理解、実践
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チームワークとコミュニケーションの実践
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プロジェクトの目標の設定
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プロジェクトの推進
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プロジェクトの実行
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プロジェクトの管理
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チームメンバの連携
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チームメンバの動機付けと達成感の提供
これでは、なかなか具体的なスキル(行動レベル)に落とすことが難しいと思います。また、明らかにパーソナルとは思えないスキルも見受けられます。
そこで、ITSSユーザー協会のスキル定義委員会では、より具体的なパーソナルスキルの定義を試み、以下のようにスキル定義をおこないました。さわりだけですが、趣旨は理解できると思います。
ベーシックリーダーシップ
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自分の価値観を明確にすることができる
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重要な問題を自ら解決することができる
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部門目標に向けて、熱意を持って行動することができる
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動機付けの要因を説明することができる
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動機付けのプロセスを活用することができる
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その他
ミドルレベルリーダーシップ
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チームビジョンとミッションを作成することができる
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メンバーが情報を共有する環境を作ることができる
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チームによる問題解決と意思決定能力を開発することができる
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シナジーのあるチームを作ることができる
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その他
ハイレベルリーダーシップ
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変革のプロセスを説明することができる
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変革を計画することができる
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ビジョンと戦略を作成することができる
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ビジョンを周知徹底することができる
・
その他
いかがでしょうか、より具体的でわかりやすいリーダーシップスキルの定義になっていると思います。
スキル定義委員会の方針で、スキルをタスク表現に統一した成果です。具体的には、
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意識、認識ではなく、「アウトプットできる具体的な行動」(観察可能な動詞)で表現する
・
なるべくひとつの項目(行動)に絞る(複数の動詞を避ける)
・
「目的、対象」を明確にする
こうすることにより分かりづらかったパーソナルスキルも大幅に分かりやすくなりました。
かつ、あとで説明しますが、教育研修にも反映することができるようになりました。
尚、このスキル定義全体は、ITSSユーザー協会会員には公開されています。ユーザー協会の
Webサイトより、ダウンロードすることができますのでご覧ください。
会員ポータルよりログインし、
[公開ドキュメント]→[カテゴリー会員向け公開資料]→[スキル定義公開]
次のファイルを開いてください。
ファイル名: ITSS_v2_skilllist200610(v2の全スキルリスト)
ユーザー協会会員でない方は申し訳ございません。非公開データなので、これ以上の公表ができないしだいです。ご容赦ください。
尚、以下は10月に発表された[スキル定義活用のルール]です。
[スキル定義活用のルール] (2006年10月25日)
ITSSユーザーズカンフェランス2007 スキル定義委員会 活動報告より抜粋
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今回のV2スキル定義は、上記のとおり「ユーザー協会会員限定公開」とする。(正会員、準会員問わず)
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現時点でのビジネス活用(コンテンツをソフトウェアに搭載して販売したり、コンテンツ自体を販売したりする行為)は禁じ、自社内活用、閲覧のみの許可とする。
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ビジネス活用については原則、ITSSユーザー協会の「SSI-ITSS」ASP事業に関与し、販売・運用等について契約関係が成立しているスキルスタンダード研究所、およびASP事業者のみ可能とする。
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ITSSユーザー協会の認定コンサルタントは、SSI-ITSSの活用を前提とする企業に対して(当スキル定義を活用した)コンサルティングビジネスを実施することができる。
将来的には変更もあり得ます。個人的には、せっかく良いものができたのでもっと広く使っていただいても良いのではないかと考えます。
尚、筆者は「ITSSユーザー協会認定コンサルタント」なので、このスキル定義を活用したコンサルティングビジネスを実施する権利を持っていますのでご安心ください。
ご意見を歓迎します。
連絡先: Mail to : KBマネジメント
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