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フェーズ4: 教育体系の作成




重要なのは、単にITSS研修ロードマップを丸写しすることではなく、GAPを最短で解消できる最適な教育体系を作成することです。

GAPのない部分まで研修コースを実施することは避けましょう。研修会社の言いなりになってはいけません。教育の主体者は参加するエンジニアです。本当に必要なものに焦点を絞り優先順位を付けましょう。

 

以下に、GAPを最短で解消できる教育体系の一例です(これに限るものでもありませんが)。

新たな試みとして、参考にしていただけると幸いです。



ITSS準拠スキル教育(SSI-ITSSに対応した教育コンテンツ)

SSI-ITSSの診断結果から組織に必要な教育体系を作成します。


 

研修プログラムへのニーズ(例)

           求める人材像(Should be)に対して、現在のメンバー(As is)の不足しているスキルを特定し、そのスキルを修得させたい

           SSI-ITSSで診断された不足スキルのみでよい

           本当に必要なスキルだけ研修したい

           エンジニアの研修時間を最小限にしたい

           研修コストもできるだけ抑えたい

           冗長な研修プログラムはさけたい

           効果も同じ診断ツールで検証したい

           行動変容までしっかり確認したい


このようなニーズには極めて有効な方法です。


以下はITSS-V2準拠のパーソナル研修の概要です。

           SSI-ITSS/V2の「スキル項目」がそのまま「学習目標」に対応しています

           パーソナルスキル(コミュニケーション、ネゴシエーション、リーダーシップ)を細かなモジュール(11プログラム、33モジュール)に分解しています

           SSI-ITSS診断で必要とされたスキルに対応するモジュールを、研修コースとして組み立てることも可能です

           研修時間は従来のやり方に比べて減少できます(利益)

           コストも節約できます(利益)

           効果はSSI-ITSSツールで検証できます(利益)

           行動変容まで確認できます(利益)

 

従来の研修プログラムとは概念が異なることがお分かりいただけますでしょうか。

おそらくどの研修ベンダーにもない、ユニークな試みです。ひょっとしたら本邦初公開かもしれません。

テイラーメードの研修体系を目指します。GAPのあるスキルのみをまとめて研修コースに組み立てることまでできると思います。


もうお分かりでしょう、フェーズ3GAP分析)でみたスキルギャップのグラフ(上図)はそのまま研修体系に対応することができるのです。


なぜこういうことが可能になったのでしょうか。

それはスキルの定義を「タスク表現」に統一したからです。学習目標にそのまま使えます。

(正確に言うと学習目標の重要な要素としてタスクがあります。)

タスク表現されたスキル項目を学習目標に対応させた、研修コースが構築できるわけです。


具体的な例をひとつご紹介します。

SSI-ITSSのベーシックリーダーシップのスキル項目です。

         自分の価値観を明確にすることができる

         解決するべき問題にフォーカスすることができる

         重要な問題を自ら解決することができる

         部門目標に向けて、熱意を持って行動することができる

         自分の意志を意見を主張することができる

         影響力を使って、メンバーに行動を起こさせることができる

         動機付けの要因を説明することができる

         動機付けのプロセスを活用することができる

         自分自身の感情をコントロールすることができる

         相手の感情に応じた対処ができる

 

次は、「ベーシックリーダーシップ」コースの概要です。

学習目標がスキル項目に対応しているのが分かると思います。


             『ベーシックリーダーシップ』

   モジュール            学習目標
1.オリエンテーション ・自己紹介、その他
2.価値観 ・リーダー自身の価値観を明確にすることができるようになる
3.部門目標への行動

・解決するべき問題にフォーカスすることができるようになる

・重要な問題を自ら解決することができるようになる

・自分の意見を主張することができるようになる
4.メンバーの動機付け

・動機付けの要因を説明することができるようになる

・動機付けプロセスを活用することができるようになる

・影響力を使って、メンバーに行動を起こさせることができるようになる
5.ストレスの軽減

・自分自身の感情(ストレス)をコントロールすることができるようになる

・相手の感情(ストレス)を軽減することができるようになる


全てのモジュールを実施しなくても構いません。

優先順位の高いものを選択することができます。また、他のコース(例えばリーダーコミュニケーション)のモジュールと組み合わせて一つの研修コースにすることもできます。


ただし、どんなモジュールの組合せが可能なのかはご相談ください。非現実的な組み合わせ(レベルに大きな差があるもの)や、無理やりモジュールを分割するようなことは避けるべきものもあります。


パーソナルスキル研修の全体像です。

一部開発中のものもあります。要求の多いものを優先しています。


ロードマップ風にまとめてありますが、決してロードマップではありません。

GAPのあるコースまたはモジュールを選択し、優先順位をつけて実施することが重要です。

ビジネス戦略に最も貢献する研修プログラムは何でしょうか。コストと時間(受講)を有効に使いましょう。

組織としての優先度、エンジニア個人としての優先度、共に考慮する必要があります。


研修の効果測定

研修実施後に同じSSI-ITSSで再度スキル診断できますから、教育の効果測定が確実に行えます。上司の観察による180度診断が可能です。Kirk Patrickのレベル3の効果測定です。


SSI-ITSSのパーソナルスキル定義についての解説です。
ぜひお読みください。
 「SSI-ITSSのパーソナルスキル定義」





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