| 2009年5月23日 
   
   2. BA(ビジネスアナリシス)資格 BABOK®はその名前もそうですが、先行するPMBOK®の影響を強く受けています。読者もPMBOK®については良く存じていると思いますので、PMBOK®と比較しながら説明していきます。 -CBAP® :PMPに相当します -EEP™: REP(認定教育プロバイダ)に相当します -CBAP®とEEP™の意義 以上、3点についての解説です。   2.1 CBAP® CBAP®(Certified Business Analysis Professional)はPMP(Project Management Professional)に相当します。以下の比較表をご覧ください。   
 
  |   | CBAP® | PMP |  
  | 受験資格 | ・直近10年以内に7,500時間(5年間)のBA(ビジネスアナリシス)経験 ・BABOK®知識エリアのうち4エリアの実務経験 ・直近4年間で21時間のBA教育受講(PM研修は認められない) | ・大卒:4,500時間の実務経験 ・35時間の研修受講 |  
  | 受験料 | ・IIBA™会員: $450 ・IIBA™非会員: $575 | PMI会員: $405 PMI非会員:$555 |  
  | 資格維持 | ・3年間で60時間教育受講(EEP™教育) | ・3年間で60時間の教育受講(PDU) |    いかがでしょうか。このように対比するとわかりやすいのではないでしょうか。 全体の構造がきわめて似ていることが分かります。 主な注意点を以下にあげます。 必要な経験時間に大卒、高卒の区別はありません(実務経験を重要視しているからです)。 そして申請時には、7,500時間のビジネスアナリシス関連作業を書類で提出する必要があります。ビジネスアナリシス関連作業が対象であり、プロジェクト関連作業をカウントすることはできませんので注意が必要です。例えば、プロジェクトスコープや目標を作成することは対象になりますが、プロジェクト憲章を作成することは対象となりません。かなり複雑です。 教育時間も注意が必要です。4年間で21時間(PMPでは35時間)ですが、直接ビジネスアナリシスに関連するものか基礎スキル(Underlying
Competencies)に関するものに限られます。EEP™(KBマネジメントなどの認定教育プロバイダ、)が提供する認定コースならば対象として保証されています。ご注意ください。EEP™の提供する全てのコースではありません。認定コースのみです。たとえKBマネジメントのコースでも認定コース以外の研修は対象になりません。 認定コース以外の教育を申請する場合は、シラバスを事前にIIBA™にレビューしてもらう必要があります。 しかし、以下のコースは対象になりません。 -プロジェクトマネジメントコース -プログラミングおよびプログラミング言語 -テスティングコース(IIBA認定以外の)   詳細はIIBA™発行のCBAP®ハンドブックを参照ください。(Updateしました:2010年5月23日) http://www.theiiba.org/Content/NavigationMenu/Certification/Process/CBAP_Handbook_Apr2010.pdf 
 2010年5月時点での、KBマネジメントが提供する認定コースは以下の通りです。
 (コース名をクリックするとコースカタログがご覧になれます)
 【ビジネスアナリシス 概要】 コース
 【失敗しない要求開発】 コース
 【ビジネス戦略とエンタープライズアナリシス】コース
 【ビジネスアナリシスの実践文章力養成】コース
 
 
 
 2.2 EEP™(認定教育プロバイダ) EEP™とは何でしょうか。 そしてなぜ弊社(KBマネジメント)がEEP™を申請したのかについて解説します。   2.2.1 認定教育プロバイダとは EEP™とはEndorsed Education Providerの略でPMBOK®ではREP(Registered Education Provider)と言います。同じ役割・機能だと思って差し支えありません。ビジネスアナリシスに必要な教育を提供いたします。ビジネスアナリシス用教育をデザイン・作成しIIBA™が適切と認めたものが認定コースです。コース毎に教育時間を申請し、クレジット時間が定められます。「失敗しない要求開発」の場合、2日間で14時間ですから、クレジットは14CDUとなります。CDU(Continuous Development Unit)はPMBOK®ではPDUと言い、プロフェッショナル人材が学習する時間を表します。名称だけが違うとお考えください。   2.2.2 EEP™認定の背景 「失敗しない要求開発」を開発したのは、赤字プロジェクトはプロジェクトマネジメント(Howの世界:正しく作る)だけでは解消できないことがわかったからです。元の要求(システム要求やソフトウェア要求:Whatの世界:正しいものは何か)、ひいてはその大元となるビジネスの課題や機会(Whyの世界:ビジネス上の理由)を明確にしない限り、プロジェクトマネジメントだけでは解決しないと考えたのです。もう今から3年前のことです。当時はビジネスアナリシスという言葉を聞いたことありませんし、何も知りませんでした。ただソフトウェア要求という言葉や書籍が出始めていたころです。 2008年の夏ごろBABOK®を初めて知り大変嬉しく思いました。自分たちと同じことを世界でも考えていたのです、しかもグローバルスタンダードになるかもしれないと。年末に日本支部が立ち上がり、2009年はいよいよBABOK®元年になると確信しました。 「失敗しない要求開発」はBABOK®そのもの(中心コアの部分)だという思いが大変強くなり何とかそれを証明する方法がないものかと思案の結果、たどりついたのがEEP™へのチャレンジでした。「失敗しない要求開発」のコンテンツがBABOK®に対応しているか否かをIIBA™に問うたのです。結果はご覧のとおりです。お陰さまで、認定してもらい「失敗しない要求開発」研修はIIBA™の認定コースとなった次第です。   開発の背景の詳細 → 【超上流工程の課題 】  URL: http://www.kbmanagement.biz/sub64.html   2.3 CBAP®とEEP™の意義 前回は、ガラパゴスでは生きていけないという言葉でしめ括りましたので、少しフォローします。このままでは日本はガラパゴス島となってしまいます。それでは困りますので、どうすれば解決できるかを考えましょう。 それほど難しいことではありません。制度や資格がガラパゴスであっても人(資格保有者)は移動することができるのです。ガラパゴス島の優秀なエンジニアをグローバルスタンダード大陸に橋渡しをするのがEEP™の提供する教育とCBAP™試験です。 ITコーディネータやシステムアナリスト資格保有者はすでに高いレベルのポテンシャルを持っています。5年間以上の実務経験(これも厳しいですが)があれば、ほんの少しの学習(21時間)と試験に合格さえすれば、グローバルスタンダード大陸の住人(エキスパート)になれます。世界に通用するビジネスアナリストになれるわけです。6,000人のITコーディネータのわずか10%がCBAP®に合格すると、日本のCBAP®保有者は一気に600人になります。さらにシステムアナリスト資格保有者も加われば、現在CBAP®保有者は世界でも500人程度ですから、あっという間に日本がグローバルスタンダードの資格保有者のトップになってしまうということです。ガラパゴスからグローバルスタンダード大陸へのブリッジがかかるのも夢ではないのではないでしょうか。 EEP™教育とCBAP®試験により、ガラパゴス島からグローバルスタンダード大陸への住み替え(引っ越し?)をされることをお勧めいたします。     
 
    
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
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