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  【ITSS対応パーソナルスキル研修】(その1)   パーソナルスキル分野は他のスキルと異なり、定義そのものが不明確です。そこから出てくる研修ロードマップも内容が貧弱で、大きな問題を抱えています。   OECDの教育問題でも触れられているように、単に知識があるだけでは世界に通用する学力とは言えません。ここで大きく求められている学習として、コミュニケーションを中心とするパーソナルスキルがあげられています。 ITエンジニアも同様で、情報処理技術者試験で測れる知識だけでITSSレベルを判定することは大きなリスクがあります、上級になればなるほどパーソナルスキルの重要度が増してきます。 このWebページでは、単にITSSのパーソナルスキルの不備を指摘するのではなく、一歩も二歩も踏み込んで、具体的な解決策まで提示します。   内容は「スキル標準メールマガジン」に連載した「ITSSスキル研修」をベースにしています。合計14回にも及んだ連載の内容です。メルマガと違い、図や絵・グラフも加わっていますから、大変わかりやすくなっていると思います。   (目次) 1.   
パーソナルスキルの現状と問題点 1.1 不明確なパーソナルスキルの定義 1.2 GAPが不明 1.3 カリキュラムが不明 1.4 問題がもたらす悪影響   2.   
問題の真の原因 2.1   
不明確なITSSの定義 2.2 研修ベンダーの動向   3.   
問題の本当の解決策 3.1 パーソナルスキルを具体的に定義する 3.2 SSI-ITSSにスキルを登録する 3.3 ITSS対応パーソナルスキル研修3.3.1 インストラクショナルデザインとは
 3.3.2 その他のパーソナルスキル
 3.3.3 スキル定義に基づく効果測定
 3.4 解決策がもたらすメリット     それでは、解説をはじめましょう。   1.   
パーソナルスキルの現状と問題点  ITスキル標準の「パーソナルスキル」の現状と問題点をまとめます。 諸悪の根源であるITSSでのスキル定義の不明確さです。GAPも不明です。定義が不明ですからカリキュラムもあいまいになります。そしてそれらの及ぼす影響の大きさについてまとめます。   1.1 不明確なパーソナルスキルの定義 ITスキル標準のパーソナルスキルを見てみましょう。まずコミュニケーションスキルです。ITスキル標準ではコミュニケーションスキルを次のように記載しています。 
  
 これらの定義の多くは具体性に欠けています。「コミュニケーション手法」とは具体的にどのようなものなのでしょうか?「2-Wayコミュニケーション」の下に「コミュニケーション手法」があるとはどういうことでしょうか?上下関係が逆ではないかしら?論理的な矛盾?などと考えてしまいますね。 「状況対応力」とは何でしょうか?極めてあいまいな用語です。きちんと定義するべきですが、残念ながら定義がありません。おそらくITスキル標準を作成した当事者が理解していないのではないかと疑いたくなりますね。
 
  
 リーダーシップもほとんど定義されていません。「リーダーシップの基本や原則」とは具体的に何をすればよいのでしょうか。「プロジェクト....」の部分はパーソナルスキルとしてのリーダーシップより、PMBOKの知識体系に相当します。いずれにしても具体的なスキル定義からは程遠いような感じではないでしょうか。
 
 
   1.2 GAPが不明 こうなるとどうでしょう。エンジニアは自分でパーソナルスキルとは具体的に何を修得するべきかわかるでしょうか。極めてわかりづらいと思います。必要なスキルが不明と言わざるを得ません。 その結果、エンジニアはどのスキルが不足しているのか(GAP)も不明で、あるべき姿が何も分からない状態です。   1.3 カリキュラムが不明 教育担当者はどうでしょうか。これでカリキュラムを組むことができるでしょうか。 ITSS研修ロードマップ1.2をみてみましょう。  コース概要:当コースでは、中規模以上または複雑なプロジェクトを推進していく上で 必要な2Wayコミュニケーション、情報伝達、情報処理について、 ロールプレイを取り入れてワークショップ形式で実践的に学習する。  研修方法: ワークショップ  期間:   3日間  対象スキル項目: コミュニケーション  関連する知識 : −コミュニケーション(2Way)   内容は全く変わりません。具体的な学習目標も書かれていません。これでは研修のしようもないのではないでしょうか。 研修を受けることができないので、人材のスキルレベル(パーソナル領域)もあがらないままです。   1.4 問題のもたらす悪影響 これらの問題をこのまま放置しておくとどんな悪影響が出てくるのでしょうか。 すでに大きな影響が出ているものが見受けられます。   典型的な例をいくつかご紹介します。
  
 
   これらはほんの数例でしかありません。筆者が最近見聞きしているものの中から拾い集めたものの一部です。実際にはもっとたくさんあると思います。それだけ問題とその影響は深刻です。 
 
  
 
 
 
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