8. トレーサビリティと監視
主要概念
- トレーサビリティは、追跡対象間のつながりを確立することにより、プロダクト・ライフサイクル全体の情報(要求事項、デザインなど)を追跡する能力です。 これらのつながりは、関係または依存関係とも呼ばれます。 トレーサビリティは双方向、すなわち前方と後方に追跡できるようになっています。例えば、後方トレーサビリティは、要求事項から、その要求の元となったスコープ・フィーチャーやビジネス・ゴールとビジネス目標にまで遡ります。 前方トレーサビリティは、要求事項からデザインとテストの構成要素へと、そして最終的には最終プロダクトにまで辿ります。 トレースは、テキストによるプロダクト情報をモデルへと追跡するなど、横方向に実行することもできます。
- 監視は、プロダクト情報が承認された時点から実現するまでの間、正確に維持されるようにします。
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8.1 トレーサビリティ・アプローチと監視アプローチの決定
- 定義
ポートフォリオ、プログラム、プロジェクト、またはプロダクトにおけるトレーサビリティの実現方法と、要求の変更管理の方法を検討するプロセスです。 - ベネフィット
トレーサビリティのレベルと要求事項の変更管理プロセスの公式度を、状況にあった適切なものにします。
このプロセスはトレーサビリティ・プロセスと変更管理プロセスを定義します。
インプット
- コンプライアンス基準と規制基準
- コンフィギュレーション・ マネジメント標準
- プロダクト・スコープ
ツールと技法
- レトロスペクティブと教訓
アウトプット
- トレーサビリティ・アプローチと監視アプローチ
トレーサビリティの大まかな計画と監視の大まかな計画を作成します
8.2 関係と依存関係の確立
- 定義
「関係と依存関係の確立」は、要求事項と他のプロダクト情報との間のつながりをトレースまたは設定するプロセスです。 - ベネフィット
各要求が事業価値を付加し、顧客の期待に応えることを確認するのに役立ちます。そしてプロダクト・スコープの監視とコントロールを支援します。
インプット
- プロダクト・スコープ
- 要求事項と他のプロダクト情報
- トレーサビリティ・アプローチと監視アプローチ
ツールと技法
- フィーチャーモデル
- 要求管理ツール
- ストーリー・マッピング
- ストーリー・スライシング
- トレーサビリティ・マトリクス
アウトプット
- 関係と依存関係
このプロセスで要求事項のトレーサビリティが確立されます
8.3 要求の選択と承認
- 定義
イテレーション、リリース、またはプロジェクトにどの要求事項を取り込むべきかステークホルダーと交渉し、確認するための議論を促進するプロセスです。 - ベネフィット
プロダクトの開発や改良のためのソリューションの全部または一部の構築方法と構築時期を検討する権限を与えます。
インプット
- プロダクト・スコープ
- 関係と依存関係
- SHエンゲージメントとSHコミュニケーションのアプローチ
- 妥当性確認された要求事項と他のプロダクト情報
- 検証された要求事項と他のプロダクト情報
ツールと技法
- バックログ管理
- 協働ゲーム
- Readyの定義
- デルファイ法
- ファシリテーション型ワークショップ
- フォース・フィールド分析
- グループ意思決定技法
- イテレーション計画
- 優先順位付けの仕組み
- 要求管理ツール
- ストーリー・マッピング
アウトプット
- 承認済み要求事項
8.4 要求事項と他のプロダクト情報の変更マネジメント
- 定義
プロジェクト期間中に起きる変化や不具合を、変化の価値や影響度を理解することを調べるプロセスです。変更が合意されると、その変更についての情報は、優先順位付けやその後のプロダクト開発を支援するのに必要となるすべての箇所に反映されます。 - ベネフィット
プロジェクトに重要なソリューション変更を組み入れることを促進すること、不要な変更を制限すること、そして変更が最終的なプロダクトにどのような影響を及ぼすかについての理解を提供します。
インプット
- 承認済み要求事項
- ビジネス・ゴールとビジネス目標
- 変更要求
- プロダクト・スコープ
- 関係と依存性関係
- トレーサビリティ・アプローチと監視アプローチ
ツールと技法
- バックログ管理
- 変更管理ツール
- グループ意思決定技法
- 影響分析
- 要求管理ツール
- トレーサビリティ・マトリクス
アウトプット
- 要求事項と他のプロダクト情報に対して推奨された変更