2013年9月15日
知識エリア 「要求のマネジメントとコミュニケーション」
知識エリア 「要求のマネジメントとコミュニケーション」には、以下の5つのタスクがあります。
- ソリューションスコープと要求をマネジメントする
- 要求のトレーサビリティをマネジメントする
- 再利用に備えて要求を保守する
- 要求パッケージを準備する
- 要求を伝達する
以下、タスクの説明です。
4.1 ソリューションスコープと要求をマネジメントする
伝達された要求や、トレースされた要求は適切なステークホルダーによって承認され、ベースライン化されます。ベースライン化された要求はプロジェクトの変更管理規定に従って管理されます。「要求管理システム」で管理するのが便利です。
4.2 要求のトレーサビリティをマネジメントする
BABOK(R)では、双方向のトレーサビリティを規定しています。全ての要求は大元のビジネス要求にまでトレースされなければなりません。ここがしっかりしていれば、タスク「6.1要求の優先順位をつける」が楽になります。逆に言うとトレーサビリティが確立されていないと要求の優先順位は付けられません。
4.3 再利用に備えて要求を保守する
このプロジェクトで採用された要求を、将来のプロジェクトで再利用できるように保守する作業です。
4.4 要求パッケージを準備する
RFPのみならず、要求プロセスではさまざまな要求文書が存在します。例えば
- BRD(ビジネス要求文書)
- プロダクトロードマップ
- ソフトウェア要求仕様書、システム要求仕様書
ベンダー選定としてRFI、RFP、RFQがありますが、RFPに記述するべきもの:
- ビジネス要求とステークホルダー要求
- ビジネス戦略はビジネスアーキテクチャの概説
- 技術的な制約や法律、規制、行政府の要求
重要なことは「ビジネス要求」をしっかり記述することです。日本ではここの部分が弱いと思います。ビジネス要求をしっかり書いてあるRFPをあまり見たことがありません。失敗プロジェクトの要因の一つのような気がします。ユーザー自身が自分のビジネス要求を理解していないと、失敗するのも無理ないと思います。
4.5 要求を伝達する
準備された「要求パッケージ(RFPなど)」を伝達するのみならず、別の知識エリア(「エンタープライズアナリシス」、「引き出し」、「要求アナリシス」、「ソリューションのアセスメントと妥当性確認」)のタスクと組み合わされて何度も繰り返し実行されます。