保険業界におかれましては、ビジネスアナリシスのニーズが大変高まっています。
インターネット型の自動車保険や生命保険、健康増進型保険(Vitality)など、新しい保険ニーズの発掘と提案が目白押しです。
保険の複雑な引受け業務や査定業務における意思決定(Decision )がモデリングされ自動化できたらどのようなメリットがあるでしょうか。自動化による査定コストの大幅削減が可能になるだけではありません。数年前の保険金の不払い問題では、その対策として査定人の大幅増員を余儀なくされたのではないでしょうか。派遣社員、事務職員制度などでしのいでこられたのかもしれません。しかし本質的な解決にはなっていないのではないでしょうか。誤査定や人による査定のバラツキをなくす必要もありますね。そのためには査定(意思決定)をモデリングしさらに自動化することが本質的な解決につながるのではないでしょうか。
モデリングにはまだ別のメリットがありそうです。保険条件のよりきめ細かな設定が可能になりますので従来保険に入れなかった人(お年寄りや病気持ちの人)でも加入可能な申込み条件が可能になり、保険ビジネスの増収に貢献しそうです。
また、Vitalityのような新しい保険の条件設定も同様です。被保険者の健康度スコアをより魅力的にデザインするにはどうすればよいでしょうか。ターゲット顧客セグメントに響く健康度スコアをデザインする必要がありますね。例えば、IoT(健康バンド)と組み合わせて、行動記録(運動状態)をベースに健康度スコアを決定することも可能になるでしょう。運用しながら実データをアナリティクスで分析し、その結果を健康度スコアにフィードバックし、より保険ビジネスの戦略に沿った健康度スコアを構築することも可能になるでしょう。
さらに、自動化された査定業務のアウトプット(意思決定)が、後工程の支払い業務(ビジネスプロセス)と連携できると自動支払いまで可能になりそうです。この自動査定と自動支払いが連携(DXが実現)されると、保険(例えば医療保険)のビジネスモデルはどのように変革されるでしょうか。例えば、被保険者は病院にお金を支払う(一時払い)必要がなくなるかもしれません。顧客セグメントも変わるのではないしょうか。医療保険そのものの概念が変わる可能性すらありそうです。まさにデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現と言えるでしょう。
これらを可能にするテクノロジーとしてビジネスアナリシスで最近注目され始めているのが、「意思決定モデリング(DMN)」です。これは、OMG(Object Management Group)により標準化された意思決定のモデリング手法で、近々日本OMGより日本語版が公開される予定です。
本セミナーではビジネスモデルキャンバスと意思決定モデリング(DMN)を使い、意思決定の自動化による保険業務のビジネスモデルの変革(デジタルトランスフォーメーション)の可能性を議論したいと思います。
一人でも多くの保険業界の皆様のご参加をお待ち申し上げます。
- 日程: 5月10日(金) 19:00 ~ 21:00
- 場所: 大橋会館 中教室(3階)
- 費用: 2,000円
- 定員: 25名(先着順)
アジェンダ:
- 19:00 ~ 20:00 講義:清水千博(KBマネジメント 代表)
DMNによるビジネスモデルの変革の在り方 - 20:00 ~ 20:30 演習:ビジネスモデルキャンバス
- 20:30 ~ 21:00 発表、質疑応答
一方的な講義ではなく参加者同士のディスカッションを交えたセミナーにしたいと思います。
ご協力のほどよろしくお願いします。