9. ソリューション評価
主要概念
「ソリューション評価」活動は、ソリューションが望ましい事業成果を達成したかどうかを評価するために実行されます。ソリューション評価の実務慣行は、個別の使用シナリオから幅広いビジネス成果に至るまで、評価が必要なものすべてに適用されます。「ソリューション評価」は、受入基準で定義されている通り、実際の受入テストの結果を期待値または希望値と比較することによって、ソリューションについて得られた測定値を分析する作業です。長期にわたり、この活動は、ソリューションの期待される事業価値が達成されたかどうかを評価します。
[画像クリックで拡大]
9.1 ソリューション・パフォーマンスの評価
- 定義
導入されたソリューションまたはソリューション構成要素が意図した事業価値を実現しているかどうかを見極めるために、ソリューションを評価するプロセス。 - ベネフィット
投資したソリューションが期待した事業結果を達成しつつあるかどうか、将来の施策についての意思決定へのインプットなり得るかどうかを見極めるために、アナリシスがわかりやすいデータを提供すること。
インプット
- ビジネスケース
- ビジネスのゴールと目標
- 評価済みの受入れ基準
- パフォーマンス・データ
- ソリューション評価アプローチ
ツールと技法
- コスト・ベネフィット分析
- 引出し技法
- プロダクト・ポートフォリオ・マトリクス
- 優先順位付け法
- 根本原因分析と機会分析
アウトプット
- ビジネス価値の評価
9.2 ソリューション評価アプローチの決定
- 定義
組織やソリューションの評価対象とする側面、業績の測定方法、および業績測定の時期と担当を決定するプロセス。 - ベネフィット
業績評価指標とメトリックスを選択または定義して、組織やプロダクトの継続的な改善を支援するために収集、報告、評価できるようにすること。
インプット
- メトリクスとKPI
- プロダクト・スコープ
- 状況記述書
ツールと技法
- 引出し技法
- グループ意思決定技法
- 優先順位付け法
- 振り返りと教訓
アウトプット
- ソリューション評価アプローチ
9.3 受入結果の評価と欠陥への対処
- 定義
ソリューションに対して定義された受入基準とソリューションを比較した結果をどのように処理するかを決定するプロセス。 - ベネフィット
ソリューションの全部または一部をリリースするかどうか、およびプロダクトの変更、修正、または拡張を行うかどうかに関して、情報に基づく意思決定を可能にします。
インプット
- 受入れ基準
- 現実の受入れ結果
ツールと技法
- 優先順位付け法
- 根本原因分析
- トレーサビリティ・マトリクス
- 差異分析
アウトプット
- 受入れの評価結果
9.4 リリースのためソリューション受入れの獲得
- 定義
業務環境にソリューションの一部をリリースするか、全体をリリースするか、ひいては業務チームへリリースするかに関する判定を促進するプロセス。また、該当するプロダクト、そのリスク、既知の課題、課題に対処するために見出された迂回策に関する知識や既存の情報を移管するかに関する判定も促進するプロセスでもある。 - ベネフィット
ソリューション構築とステークホルダーによる受入れのためのソリューションのリリースとの間における、合意された判断分岐点を創り出します。
インプット
- 承認済み要求事項
- 評価済み受入れ結果
- プロダクト・リスク分析結果
- 準備状況のアセスメント
- SHエンゲージメントとSHコミュニケーションのアプローチ
- 移行計画書
ツールと技法
- ファシリテーション型ワークショップ
- グループ意思決定技法
アウトプット
- リリース判定