24 常に考え、発想を書きとめる習慣
24.1 常に考える習慣
わたくしたちは日常のビジネスについていつも何かを考えています。 業績を伸ばしたい、体質を強化したい、新たな製品を出したい、顧客へのサービスを強化したい、などそのテーマは限りなくあります。差し迫った問題がある時にはその解決だけで頭がいっぱいになっているかもしれません。
いろいろな課題がある中で、突然出現した問題がある一方、そのうちに処理しなければならないテーマがたくさんあるはずです。集中して特定のテーマを論理的に考えることは当然必要ですが、何となく考えたり、時間のある時に柔軟に検討してみたりすることは思考に柔軟性があり、いろんな類のアイデアが出てくるものです。その場で結論を出すことではなく、後刻意思決定するときの参考になるアイデアが出てきます。常に考える習慣が身につくと、思いもよらない良いアイデアに突然気付くことも珍しくありません。何も考えていない時にすばらしい方法に気付くこともあります。 ビジネスアナリシスにはこのような日頃の心構えが大きく役立つことがあります。
24.2 気づいたことは書きとめて、読み返してブラッシュアップする
何となく出てきたアイデアは、そのままにしておくとすぐに忘れてしまいます。覚えておこうとしても忘れてしまいます。 そのようなアイデアはすぐに書きとめることが大切です。 目の前で文字にすることで頭の中にも概念が固定されます。書き記したことを眺めていると、関連する他のアイデアが湧いてきます。一つの文字でも、一行の文字列でも構いません。一枚の紙切れに記しておけば後で整理できます。レストランで食事をしながら話をしているときには箸紙や紙ナプキンに走り書きすればよいでしょう。電車に乗ってぼやっとしているときにハッとする思い付きがあります。そのためにポケットには紙切れと筆記用具を常に用意しておくのは良いことです。それらは読み返して整理していくと、まとまった概念になってゆきます。
24.3 新しいアイデアへの展開
このようなメモは単なる思い付きに過ぎないと思っていると、とんでもないアイデアへ発展することが珍しくありません 何かを考えるときには、全体概念から捉える人と、詳細から組み立てる人とがありますが、このようなメモはそのどちらでも構いません。 全体と部分は互いに助け合いながら成長するものです。良い部分アイデアは全体概念を変えることができますし、良い概念を具体化する部分要素を考えることも可能です。いろんな異なる場面で考えたアイデアを組み合わせますと、柔軟な要素が含まれることが多く、さらに新しいアイデアへの展開につながります。異なる分野のことを横断的に同時に考えることは新たな発想の源にもなります。
24.4 古いメモを繰り返し参照する
私たちが考えることは同じことの繰り返しであるとも言えます。同じ基礎概念がその場の環境やニーズに合わせて表面的に異なった形で表現されているにすぎません。 そのような視点から考えますと古いメモを眺めてみることは大きなヒントの宝庫を読むことに値します。全く異なるテーマに関するアイデアのメモで構いません。その中から、現在直面する課題解決のヒントを引きだすことができます。異なる時点の異なるテーマからヒントを得ることは、発想を豊かにするためにも有効です。一つのアイデアが全く異なる形で異なる問題の解決に寄与することを見つけることは大きな楽しみです。 メモは小テーマの解決策として小さな1ページにまとめるくらいの大きさが良いでしょう。そのために、小さなメモ帳とペンをいつもポケットに入れておくと役立ちます。アイデアを活用するためには、自分が持っているテーマを分類して名前を付けて意識していることが役立ちます。