どこでもビジネスアナリシス (82)

82 課題の位置づけにより戦略が異なる

82.1 時間軸で考える

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解決しなければならない課題に直面した時に、それをどのようなかたちまたは状態で解決するかを判断する必要があります。どのような解決をしなければならないかはその結果の与える影響の重要性と、解決にどの程度の資源を使うことができるかによって判断することになります。緊急事態においては、自分たちの能力を超える資源を割かなければならないこともあります。そのもっとも重要なのは、時間です。何かが悪化しつつあるときには、まずその進行を止めなければなりません。放置すればさらに悪化して、解決のためにさらに多くの努力を投入しなければなりません。場合によっては、不具合が進行することによって、回復が困難になってしまうこともあります。 進行を止めることができない場合には、今後の損害を避けるために現在の現状で放棄するか、あるいは廃棄してしまうことが最善策になることさえあります。 このような場合には時間との勝負であり、どのような緊急対応が必要であるかを時間軸で判断することが求められます。 

82.2 領域で考える - 部分組織への対応かグローバルか

課題は一部の限定された組織内だけで発生する場合と、組織全体で発生する場合とがあります。事象が特定領域内で保持されているのか拡大の途中であるのか、あるいは外部の影響が内部に及んでいるのかの現状認識が必要です。原因が組織内部にある場合には拡大を防ぐとともに、その根源をつぶすこととが必要です。原因をつぶすためには治すこと、他に置き換えること、破棄或いは廃棄することなどがありますが、対応の緊急性の判断が優先しますが、有効な方法の可能性、必要な時間、かかるコスト、などのバランスから判断しなければなりません。課題が修正されるまでの間に蓄積される損失の累積、他の領域へ与える影響の有無やその程度などを判断しなければなりません。一方、外部へ広がってしまっている場合には組織の境界を越えた対応策が必要であり、その実行には困難が伴います。 グローバルな対応が必要になる前に、迅速な処置をすることが重要です。外部からの影響により発生する課題は、いかにして影響を境界で阻止するかの問題になります。外部からの侵入が阻止できない場合には影響を最小限にする方法、影響を回避する方法などの対処が必要です。

82.3 当面の解決策-多段階で解決の深さを考える

重要な影響が予想される場合には進行を阻止する応急策が求められます。このような二段構えで対応する場合には第一段階の対応策の深さをどうするかの判断が大切です。不具合の場合にはどこまで阻止できるか、その持続性はどうか、二段目の対策はいつ可能なのか、など判断する内容は多々あります。課題が攻めの内容の場合には、第一段階で勢いをつけ、第二段階でそれを堅固にするなどの戦略があります。一度に完結することが難しいと思われるときには二段、あるいは多段的アプローチをすることによって、途中で状況判断により実行内容を変更するこができる利点もあります。

82.4 その先の将来はどうなるか

課題の解決は、当面の目標を対象にして計画し実行しますが、ビジネスはそこで終わるのではなく、その先の継続性が求められます。 緊急の場合には当面の対策に意識をとられてしまい、その先を考えることを忘れてしまうことがよくあります。 目標が達成された次に何が起こるか、何が必要になるかを同時に考えておくならば将来の課題解決を効果的に進めることができます。 ビジネスでの課題は全く新しい事象であることは少なく、どこかで繰り返されていることです。過去の事例から次に何が必要かのヒントを見つけることは難しくないはずです。