どこでもビジネスアナリシス(17)

17 できることの組合せでできないことができる

17.1 諦めるのは早い

困難な問題に直面すると簡単に解決を諦める人がいますが、殆どの問題は何らかの解決方法があるものです。もし、その方法が見つからないのならば、気が付かないだけです。負けるが勝と言いますが、その場から逃げるのも勝つための手段です。問題を分析するといろいろな要因から構成されていることがわかります。その構成要素を分析していけば、そこでできることがいろいろと見えてきます。それらを組み合わせていけば問題解決の全体が見えてくるはずです。同時にどうしても出来そうもない要素もわかってきます。それをどうやって埋めるかの工夫があれば、できないことができることに変わります。自分でできなければ他人の力を借りることも可能です。最も大切なことは、解決した後にその状態をどうやって持続するかです。

17.2 「0+0=1」

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実行する意欲があっても、基本となる資源が何もないことがあります。 パートナーを見つけることができれば良いのですが、そう簡単には見つからないものです。自分ですべて考えなければならない場合が通常です。そのような問題解決はビジネスアナリシスが最も得意な場面だといえます。まず、何をしたいのかの明確な概念を描くことが基本です。そこで、現状を認識して自分の周りには何があるのか、何がないのかを明確にします。現実を考慮しながら、当面の目標を設定します。目標を達成するためには何が必要かを捉え、それらをどこからどうやって持ってくるかを考えます。大切なのは、自分は何ができるのか、その何をどのように活用して、全体を構築するのかを描くことです。ないものは外部から持って来ればよいのです。何もないところから問題が解決されてゆきます。「0+0」が「1」になります。

17.3 時間をかければ実現する

迅速に実行することが叫ばれていますが「急がばまわれ」という諺もあります。小さな種を蒔き、ゆっくり確実に育てることも方法です。時間をかけている期間をどう持ちこたえるかが鍵になります。途中のエネルギー消費を抑えるために、小さく始めて状況を判断しながら大きく育ててゆきます。このようなアプローチは何にでも向いているわけではありません。ニッチな分野で、他人が気付かない技術や製品、サービスの開発により先行者利益を確保できるようであれば、その後急速に展開できる可能性があります。

17.4 繰り返しでできるようになる

いちどできないと諦めてしまう人は少なくありませんが、成功事例の多くは失敗の連続から始まっています。「失敗は成功のもと」と言われるには理由があります。失敗者は、失敗の学習とその分析から、新たな対応策を携えて再度挑戦します。この時点で成功へ近づいているはずです。市場環境が変化して失敗の要因が軽減されているかもしれません。障害となっていた競争相手がなくなっているかもしれません。あるいは、障害を打破しているかもしれません。繰り返しで成功に近づく要因は多様なので、狙いを変えながら何度でも挑戦できます。

17.5 できると思えばできる可能性は高くなる

ビジネスは人間が行うものですからその行動は多分にメンタルな要素が多く見られます。何かにチャレンジするときに、できると思って対応することによってその成功率は向上します。できるという意識が、積極的に考え、積極的に行動する意欲を無意識のうちに与えているのでしょう。