9.2 行動特性
基礎コンピテンシー 「行動特性」の試訳です。
- 行動特性はビジネスアナリシスに特有なものではない。しかし、ビジネスアナリシス実践での個人の有効性を向上させるものと判明した。行動特性はすべてのビジネスアナリストのスキル・セットの核心的存在である。ここで記述される行動特性の各々は、実践者の努力の結果に大きな影響を与える。
- 行動特性のコアコンピタンシーは、ビジネスアナリストがステークホルダーの信頼および尊敬を獲得することを可能にするテクニックおよび振る舞いが中心である。そのため、ビジネスアナリストは、倫理的に一貫した行動をし、時間通りに期待に見合うタスクを完了し、効率的に質の高い結果を提供し、そしてニーズと状況の変化に適応的に対応する。
- 行動特性のコアコンピタンシーは以下の通り:
・倫理
・個人的アカウンタビリティ
・信頼感
・自己管理
・適応性
つづいて、 V3で新たに追加されたコアコンピテンシー:
「個人的アカウンタビリティ」と「適応性」の試訳をご覧ください。
9.2.2 個人的アカウンタビリティ
.1 目的
- ビジネスアナリシスのタスクが時間通り、同僚とステークホルダーの期待を満たして完了することを確実にするので、個人的アカウンタビリティはビジネスアナリストにとって重要である。
- その際に、ビジネスアナリストは、ビジネスアナリシス作業がビジネスのニーズを満たすことを確実にすることにより、信用を確立する。
.2 概説
- 個人的アカウンタビリティは目標とゴールを達成するビジネスアナリシス作業を有効に計画し伝えられた価値がビジネスニーズと整合することを確実にする。個人的アカウンタビリティは、完全に利害関係者のニーズを満たすためにすべてのリーズと未決事項を追跡する。ビジネスアナリシスタスクを完璧に終了できれば、完全で、正確で、適切でかつ、ニーズにトレースできるソリューションが生産できる。さらに、ビジネスアナリストは熱心にリスクと問題を識別する責任がある。適切な場合は常に、ビジネスアナリストは、リスクと影響を決定するためにエスカレートする問題およびリスクに対する責任をとる。
.3 有効性の判断基準
- 作業労力は計画され、他の人に明確に伝えられている
- 仕事は計画通りに終了している、あるいは十分な理由による準備期間で再計画されている、
- 計画された仕事、計画されていない仕事の状況は知らされている、
- ステイクホルダーは、仕事が整理されていると思う
- リスクと問題は識別され、適切に処理されている
- トレースされる要求は時間通りに伝えられている
- ステークホルダー・ニーズが満たされている。
9.2.5 適応性
.1 目的
- ビジネスアナリストは、しばしば急速に環境が変化する中、様々な異なるステークホルダーと共に働く。行動スタイルや解決方法を調節することができれば、異なるステークホルダー、組織および状況と対峙するビジネスアナリストがより効果を発揮することができる。
.2概説
- 適応性はテクニック、スタイル、方法およびアプローチを変更する能力である。喜んでタスクと対話し、ステークホルダーにとって好ましいやり方でタスク完了の意欲を示すことによって、ビジネスアナリストは、提供するサービスの質を最大限にすることができ、組織がそのゴールと目標を達成するのをより効率的に助けることができる。他の人のニーズを学ぼうという好奇心と、異なる振る舞いを試みる勇気は、状況とコンテキストに適応する。ビジネスアナリストは、時々インタビューを行なう方法あるいはワークショップをファシリテーションする方法など、ステークホルダーと対話する方法を修正しなければならない。
- 異なるステークホルダーは、ビジネスアナリシスツールキットにあるテクニックに対して異なるレベルの快適さを感じる。何人かのステークホルダーはより視覚的なモデル、図形および絵などのビジュアルに表わされた情報に、よりよく応答する。また他の人はよりバーバルな文章的記述をより快適に感じる。どのテクニックが有効で、またどれが有効でないかを決めることができ、次にそれに従って適応することができれば、相互作用の成功の可能性が増す。
- 組織のゴールと目標が変わる場合、ビジネスアナリストは変化を認めて新しい指示に適応することにより対応する。同様に、状況が変化するか、期待しない問題が生じる場合、ビジネスアナリストは、それらの計画を変更し、また価値を最大限に届けるために使用できるオプションを識別することにより適応する。おおまかに言えば、ビジネスニーズまたはステークホルダーニーズの変化、ゴールや目標のコンテキストの変化、また、ニーズの変化に対して、ビジネス・アナリストは価値がソリューションの一部として提供され届けられることを確実にするために、計画とアプローチを変更することにより適応する。
.3有効性の判断基準
- 他のものとは異なる行動する勇気を示す、そして変化する条件および環境に適応する
- 他の視点と他のやり方で物事を評価し、考慮する
- 曖昧さと変化に直面する前向きな姿勢を示す
- ゴールと目的を遂行するために新しい方式、手続き、技術を学ぼうとする意欲を示す
- 変化する条件あるいは不明瞭な条件の下で有効に行なうために、振る舞いを変える
- 新しく挑戦するために、新しい情報および技術を獲得し適用する
- 組織的な現実変更に対して実施されるタスク、役割およびプロジェクト割り当てにおける変更の受容
- 一連の状況の非常に多様な個人およびグループにおいて対人関係のスタイルを変える
- うまく行ったこと、いかなかったことを評価し、次回違ったやり方でできることを考察する