9.4 コミュニケーションスキル
- コミュニケーションは、送り手が意図した意味を届けるために、受け手に情報を伝える、送り手の行為である。傾聴スキルは、送り手とレシーバーの間の理解と信頼を深くすることを支援する。
- 有効なコミュニケーションはステークホルダーすべての役に立つ。ミスコミュニケーションを回避し、検知し解決できれば、ステークホルダーによって理解されるようなり、ビジネスアナリストが有効に情報を伝達できる。
- コミュニケーションは様々な伝達方法を使用して遂行される:言語により、非言語的により、物理的により、文書により。ほとんどのコミュニケーション方法は言葉を扱い、いくつかの方法は動作と表現を扱う。言葉、句、ジェスチャは異なる個人に対して異なる意味を持つことがある。有効なコミュニケーションとは、送り手と受け手の両方が、コミュニケーションされている情報について同じ理解をすることである。用語集と明瞭なゴールを共有すれば、誤解および結果として生じる複雑さを回避することが可能である。
- 有効にコミュニケーションを行うためには、コミュニケーション・スタイルとテクニックを受取人の知識レベルおよびコミュニケーションスタイルに適応させることが必要である。コミュニケーションの上手な人は、声の調子、ボディー・ランゲージやコンテキストがどのように言葉の意味を変えるのかを理解している。用語と概念(交換に先立った)を正しく理解すれば、メリットが大きい。
- 有効なコミュニケーション計画は、受け手について知られている情報を、送り手がレビューすることを含む。母国語と文化、動機づけ、優先事項とコミュニケーション、学習、そして思考スタイルなどに、送り手と受け手の間に差があると、特定のコミュニケーション方法が必要になることがある。
- 情報を提示する計画を作成するには、その個人によって理解してもらえるように、故意で思慮深く各々の部分情報を作成し、パッケージングしなければならない。情報をコミュニケーションすることを計画する場合に考察すること:
・受けてが何を知っているか知らないのかを考慮する
・論理的で包括的な方法で情報を組み立てる
・意図する意味を伝えるために、情報を提示する最良な方法を決定する(例えば、視覚教材、グラフ、図形などを使用して)
・受け手の期待を理解する - コミュニケーションスキルのコアコンピテンシの例:
・言語コミュニケーション
・非言語コミュニケ―ション
・文書コミュニケーション
・傾聴
9.4.1 言語コミュニケーション
.1 目的
- ビジネスアナリストは様々なステークホルダーにアイデア、コンセプト、事実および意見を伝えるために言語コミュニケーションを使用する。
.2 概説
- 言語コミュニケーションは、送り手から受けてまでに情報を伝えるために音声(しゃべる言葉)を使用する。言語コミュニケーションテクニックは、ビジネスアナリシス情報、アイデア、コンセプト、事実および意見を表現するのに使用される。言語コミュニケーションは、感情的・他の非言語的合図などの情報の効率的な伝達を考慮する。言語コミュニケーションは文書化コミュニケーションおよび非言語コミュニケーションとペアとして使用することもできる。
- 言語コミュニケーションは、特に送り手の言葉の選択および声の調子を扱う。受け手が送り手を見ることができる場合、送り手の非言語コミュニケーションが受け手によって理解されるメッセージの意味に影響を与える。送り手が受け手を見ることができる場合、送り手は応答を与えて、たとえ受け手が口頭で話していなくても、送り手と受け手の両方は対話が成立する。受け手の非言語コミュニケーションをモニターすれば、送り手は受け手のためにメッセージを適応させることを考慮できる。
- コミュニケーションの調子、およびそれがどのように肯定的または否定的に聴き手に影響を及ぼす場合があるかについて理解すれば、ビジネスアナリストがより有効に言語コミュニケーションをすることが可能になる。有効な言語コミュニケーションスキルは、人に意味を理解してもらう能力を含む。示された情報が受け手によって理解されていることを確実にするために、送り手は活発に傾聴と言語コミュニケーションを組み合わせるべきである。
.3 有効性の判断基準
- 言語コミュニケーションの有効性の判断基準はつぎのとおり:
・ステークホルダー全員が明白に同じ情報を理解することを確実にするように、概念を再び述べている
・生産的な結論に達する会話を支援している
・適切な内容と目標をデザインしポジショニングして有効なプレゼンテーションで伝えている
・課題の重要点を落ち着いて、理性的に、コミュニケーションし、またソリューションオプションを提示している
9.4.2 非言語コミュニケーション
.1 目的
- 非言語コミュニケーションスキルは、身体の動き、姿勢、顔の表情、ジェスチャ、アイコンタクトなど(ただしそれらに限ったことではない)により、メッセージを有効に送り、受理することを可能にする。
.2 定義
- コミュニケーションは、典型的に書かれたか話された言葉にフォーカスしている。しかしながら、非言語コミュニケーションは言葉だけよりさらに多くの意味を伝えると考えられている。
- ムードや態度、感情は身体の動きや顔の表情に影響を与える。ある人が別の人を見ることができた場合、非言語コミュニケーションは直ちに始まる。非言語コミュニケーションスキルを効果的に利用できれば、信頼、確信、有能な態度を示すことができる。非言語コミュニケーションに気がつけば、口頭で表現されない他の人の感情に取り組む機会に気づくことができる。人とコミュニケーションする速度を変えたり、ジェスチャを取り入れれば、信頼とコミュニケーションを改善することができる。
- ジェスチャまたは表現の観察だけでは、非言語的合図によって表現されているメッセージについて完全に理解することができるわけではない。これらの合図は発信側の感情および意図の指標でしかない。例えば、ステークホルダーの非言語コミュニケーションがそれらの言語のメッセージに合わない場合、ビジネスアナリストは、この不一致の原因を探るように、会話をさらに調査するべきである。
.3 有効性の判断基準
- 非言語コミュニケーションの判断基準:
・他の人のボディー・ランゲージに気づいている、しかし、非言語コミュニケーションのみによる完全な理解を仮定しないこと、
・非言語コミュニケーションを意図的に意識している、
・非言語コミュニケーションの結果による信頼とコミュニケーションの改善
・ステイクホルダーの非言語コミュニケーションが言語コミュニケーションと一致しない場合、状況に有効に対処し解決している、
9.4.3 文書コミュニケーション
.1 目的
- ビジネスアナリストは様々なステークホルダーにアイデア、コンセプト、事実および意見を伝えるために文書コミュニケーションを使用する。
.2 定義
- 文書コミュニケーションは情報を伝えるためにシンボルを使用する習慣である。読者についての理解は文書コミュニケーションを有効に使用するために重要である。情報とアイデアを示すために、読者が意図された意味を理解できる正確な言葉を選択することが必要である。
- 文書コミュニケーションには、作成された時間と場所とは異なるため、情報を示す時間と場所においての追加の挑戦がある。
- 有効な文書コミュニケーションを行うためには、幅広い語い、文法とスタイルの強い把握、および読者によって理解される用語について理解する必要がある。文書コミュニケーションは、しかしながら、大量の情報を伝える可能性があるので、情報を有効に伝えるスキルは身につけておかなければならない。
.3 有効性の判断基準
- 文書コミュニケーションの判断基準の例:
・読者のニーズに合わせて書くスタイルを調整している
・文法とスタイルの正しい使用
・読者が意図する意味を理解できる言葉を選択している
・読者として、文書コミュニケーションの内容を言い換えて記述する能力
9.4.4 傾聴
.1 目的
- 有効な傾聴は、ビジネスアナリストが言語でコミュニケーションされる情報を正確に理解することを可能にする。
.2 定義
- 傾聴とは単に言葉を聞くことではなく、その意味を理解するプロセスである。有効な傾聴スキルを示すことによって、ビジネスアナリストに何が伝達されているか正確に理解できるより大きな機会を得るだけでなく、話し手が言っていることが重要であると思うことを実証する。
- 傾聴は、メッセージの本質を理解するために使用している言葉以上に、別の人がコミュニケーションしようとすることを聴いて解釈することである。 傾聴は聴き手と話し手の両方が同じ理解を持つことを確実にするために、話し手が述べたものを聴き手が異なる用語で要約し繰り返すことを含む。
.3 有効性の判断基準
- 効果的な傾聴の判断基準の例:
・話し手に個人的関心を寄せる、
・言語か非言語的に話し手を認め勇気づける、
・話し手あるいはグループにフィードバックを与え、確実に理解する
・判断を伸ばし適切に反応することにより傾聴スキルを使用している