どこでもビジネスアナリシス (62)

62 考え方を育てる

62.1 考える習慣を育てる

DSC_0287

ビジネスの基盤は人であると言うことは繰り返して述べてきました。 いろいろな人々がいろいろな業務処理をし、新しい発想を具体的に実行することにより、新たなビジネスが育ちます。 他人と同じことを考えていてはだめで、新しい発想で競争を勝ち抜いていく人たちとその組織が成功を掴みます。 人を育てることにおいて教えることは大切ですが、それだけでは限界があります。すでに分かっていることを習得しただけでは教えてくれた人を越えることはできません。学んだことを基礎にしてそこから新しい展開をはかることが必要です。そのためには考える習慣が必要です。いろんな考えを組みあわせると新しい考えに行きつきます。時には飛躍的な発想が生まれることもあります。いずれにしても常に考えると言う習慣を身に着けることが大切です。考えなければ何も生まれません。

62.2 考え方を考える・・・自分で考える

何となく考えていても良いアイデアはなかなか生まれません。効果的な考え方があるはずです。考え方を考えることが重要です。対象とする課題を構成要素に分解して分析的に考えることはひとつの方法です。自分の経験を体系的に分類して現在の問題の構造と比較しながら考えることも可能です。世の中の類似の事例と比較することもできます。ビジネスアナリシスそのものはひとつの考え方の体系です。考え方のいろんな要素が含まれています。一部を取り出して利用することも、いくつかの方法を組みあわせて利用することもできます。自分で考え方を考える習慣を身に着けることはとても役立ちます。

62.3 問題意識を持つ

こんなことをしたい、何かをしなければならない、何かがおかしい、などということに気付くことから問題解決が始まります。自分が関与しているビジネス上の課題に対していつも問題意識をもって監視していることが大切です。問題が複雑になる前に早期に問題を発見すれば解決は容易なはずです。問題意識を持つためにはいろいろなことに興味を持つことが有効です。同じものを繰り返して観察するとも大切です。時間と共に何らかの変化があります。その変化は良いのか悪いのかを自分の判断基準で判定します。いろんなものを意識をもって見ていると自分の判定基準が自然と生まれます。意識を持ってみていると、次はどうなるであろうかという予測ができるようになります。危険状態に近づくならば早期に対処できます。良いチャンスを捉えることもできます。何かが変わる時は何らかの予兆があります。それを捉えて早い行動を起こすことによりマイナスを食い止め、プラスをさらに大きくする基礎になります。総てのことに問題意識をもって見ることは効果的なことなのです。

62.4 他人の意見を聴く力

人の能力の源泉は外部から入る情報に基づく知識とその利用が大きな基盤を形成しています。その上に個人の処理能力が加わって結果を表します。個人の能力はその規模にも範囲にも限界があります。情報源を外部に求めるならばその規模と範囲は無限に広がります。自分が欲しい情報を取得するには意識をもって他人の意見を聴くことが非常に大切です。同じ課題に対してもいろんな角度からの情報があります。ビジネスアナリシスの基本行動の重要な要素として意見の本質を聴きとることがあります。それは単に言われたことをそのまま解釈することではなく、その真の意味を理解することです。理解できないことがあれば質問し、議論し、確認します。場合によっては議論の結果、異なる結論として理解することになるかもしれません。これも考える力のひとつです。