64 意識を育てる
64.1 やる気のないところには何も生まれない
何もしなくても時間は過ぎていきます。ビジネスにおいても大きな問題なく時間が過ぎていくこともあります。何かしなければならないと思いながら具体的な行動をできないまま時間が過ぎ、気が付いた時にはライバルに大きく引き離されていることを見つける結果になります。行動を起こす原点は人の意識です。意識には、何かをしなければならないという漠然とした意識から、具体的に目的と目標を持ち、実行の戦略を頭の中に描くまでの意識までその幅は広く、それらが起爆剤となって次の段階に発展していきます。他方では、意識のないところには何の変化も起こらず何も生まれないばかりか、社会の変化に対応できずに取り残される危険に晒されます。意識を常に持っていることは競争の世界では常に必要な基盤であり、ビジネスの基礎でもあります。
64.2 漠然とした意識でもよい・・・そこから目的と目標を育てる
意識とは何かを考えてみます。まず、意識の有無の違いです。ゼロは何倍してもゼロです。小さな意識でも、その後の加速により巨大な意識になることもあります。何かに気付くことが意識かもしれません。気掛かりなことが意識かもしれません。もう一つ大切なことは、意識のあとに行動を起こす意志のあることです。誰かうまく処理してくれでは困りますが、きちんと受け継がれたことを確認できればそれで良いかもしれません。具体的な内容は分らないが漠然とした問題を提起することは立派な行動に成長する可能性を持っています。周りの人と議論することで意識は成長します。議論を進めることで目的や目標が明瞭になります。当初考えていなかった範囲まで議論が及ぶこと、それが重要なテーマであることを発見することもあります。そのような議論を進めることで、何をしなければならないのかを明確な目標として捉えることができます。
64.3 第三者の方が良く理解していることがある
問題の当事者はその問題に対しては最も多く知識を持ち、環境を熟知しているのが一般的です。ただ、その問題の中に埋もれてしまって外側の状況が見えなくなってしまっていないかの心配があります。内部の問題に関しても分析の焦点が絞られてしまって異なる視点からの判断を加えた客観的評価ができなくなっている心配もあります。このような状況で役立つのが第三者の視点です。状況を良く知った第三者と、全く異なる立場にいる第三者とがありますが、いずれも大切でしょう。状況を熟知しない人の意見はどちらからといえば無視したくなるのですが、良く聴くと異なる経験からくる良い指摘やヒントが含まれていることが多々あります。このような場合に大切なのは、正確な指摘よりも問題解決になるヒントを見つけ出すことです。当事者が理解できないことが、第三者には常識的な問題であることもあります。
64.4 意識から行動へ
意識を持つことが問題解決の始点であることがわかりましたが、認識され、分析された問題をどうやって解決するかの行動がなければ結果が生まれません。意識からの問題提起の議論の中でどのようにして解決するかの行動計画は当然議論の背景にあると思いますが、具体的に誰がどうやって行動するかのストーリーを構築しなければなりません。ここでは行動によって結果を成功に導くという意識が必要です。行動は、小規模な活動から、組織全体の問題に発展することもあり、関連する組織全体の人たちの協力が必要な大きなプロジェクトになる場合もあります。そのような大規模な活動になりますと、小数個人の意識だけではなく、組織全体の意識へと広がらなければなりません。いずれにしても、参加する人々の意識が問題解決の大きな鍵の一つになります。