どこでもビジネスアナリシス (66)

66 今何をしようとしているのか-現実と目標のギャップを埋める

66.1 目的と目標を定める

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何かを実行するときにはその目的や目標が必ずあるはずです。ただ、その深さや精度にはいろんなレベルがあります。 例えば、外出するときには、仕事に行くのか、買物に行くのか、旅行に行くのか、その目的があるはずですし、さらに具体的に何を買いに行くのが、どこへ行くのか、どうやって行くのか、など具体的内容が存在します。ビジネスにおいて何らかの課題解決をする場合にも、それは何か、具体的にどうしたいのかなどの処理目標があるはずです。 一般的な計画の立案ならば、何をもって完成とするかの目標があるはずです。具体的な目標が見えない場合には、目標を設定すること自体が目標であることもあります。このように、何をしようとしているか、その目標は何かを明確にすることか重要であり、そこからビジネスアナリシスは着手されます。

66.2 課題と周囲環境を整理する

現在の状況を認識することが最初の仕事です。対象とする課題の現在の状況とその周りの環境がどうなっているのかの認識がこれからのビジネスアナリシスの行動の基礎になります。対象とする課題の現在の状況を正しく知ることは簡単そうに見えて難しい問題です。何か問題が発生しているのならばその状況をいろいろな視点から捉えます。数値的な測定値や評価値があればその値と、できるだけ変化の状況を捉えます。それらの値を評価するために比較できる外部の同様の状況データが入手できると役立ちます。さらに、周囲環境の情報も不可欠です。現象が起こったり変化したりするのは、それを取り巻く環境に深く関係しています。従って、課題をどう解決するかの方法の選択にも大きく影響します。 異なる環境下では同じ原因から異なる現象が生まれます。発生する現象はそれを取り巻く環境と一体にして考える必要があります。周囲環境を整理して、それぞれの環境状況が変化する環境のどの位置にあったかを理解することが必要です。

66.3 理想と現実の認識

課題解決の結果としての目標と、現実との間には通常ギャップがあり、そのギャップを埋めることが問題解決の行動そのものです。理想としての目標と現実とのギャップの程度を正しく認識することが解決策の策定の基礎になります。当然、そのギャップを埋めることが可能でなければなりません。目標は妥当な距離にあるかどうかの判断も重要です。 ギャップを埋めるには、通常いくつかの要素が同時に満たされる必要があります。 それらの要素の満足程度の組合せによって、総合的な成果の達成度になります。 すべての要素が均一に満たされることは少なく、相互に補填しあって成果になります。それぞれの要素にも目標と現実との乖離があることを認識して、実現可能性の高い要素が可能性の低い要素を、あるいは効果の大きな要素が効果の低い要素をカバーしなければなりません。

66.4 全体の仕組みを考える

ここまでの議論を簡単に纏めますと、現実と目標の間にはギャップがあり、その解決策の構成要素にも現実と目標の乖離があり、その乖離を埋めるためには要素間相互の効果の補間が必要であるということです。そのためには、問題解決の構成要素とアプローチを構造的に描いて、最終的な解決に至る仕組みの全体を考えることが基礎になります。 その構造の構成要素には実現の容易なものと難しいもの、効果の大きいものと少ないものなどが混在していますので、その実現可能性を含めてどの要素にどう期待するかの仕組みを考えることがバランスの取れた解決策を構築する上で大切です。