どこでもビジネスアナリシス (74)

74 変革のパターン-あたりまえの方法

74.1 あたりまえのことをあたりまえにやる

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ビジネス上の変革をしようとすると、何か特別な発想をしなければならないと考えるのは常です。 やみくもに変革をしようと考えても、その目的や現状の正しい認識と分析、計画力、行動に対する実行力がなければ絵に描いた餅に過ぎません。 多くの場合、そんな特別な方法が存在することは稀であって、まず現状を冷静にj認識してみることが第一歩です。 まず、「あたりまえのことをあたりまえにやっているだろうか」という自問をしてみることから始めてください。あたりまえのことができていない上に新しい計画を実行しようとしても基礎がなければ崩れてしまいます。あたりまえといっても大変重要な基本的事柄を多く含んでいます。気が付かなかったあたりまえがいろいろと見えてくるでしょう。そのあたりまえを見つけ、きちんと実行することが変革なのかもしれません。いろいろな視点からあたりまえを見つけてください。

74.2 悪いものを治す

あたりまえのことができていなかったのならば何か悪いものがあったはずです。その悪いものを治すことから始めなければなりません。取り外してもかまいません。悪いものを取り去って正常なレベルに向上させることが必要です。悪いものはそのもの自体のレベルを下げているだけでなく、関連する周りの環境に悪影響を与えているかもしれません。悪いものを修復してさらに機能的、効率的に向上させればその効果は倍加します。ビジネスの現場を見ていると、正常な運営の障害になっている事柄は多く存在します。悪いものはさらに別の悪さを誘発しますので早期に発見して排除することが必要です。悪さ加減は放置すると慣れてしまって感じなくなってしまいますので、早期の処置が必要です。負の状態や行動を削除することは変革の一つのパターンとして大切です。

74.3 良いものをもっと良くする

自分たちの得意なビジネス上の行動は多々あります。それらの集合として優れたビジネス効率が生まれます。良いものはあたりまえと感じていてあまり意識されないことが多いのが実情でしょう。良いことはさらに良くなる余裕を持っていることが一般的です。新しい方法を見つけるより容易にその効果を増加することができます。良い行動は別のさらに良い行動を連鎖的に発生することができます。同じ行動を広い分野に展開適用していくこと、良い文化、行動、能力、知識を駆使して、さらに一段と高いビジネスに変革していくことはさらに効果的です。自分たちの良い行動を認識できることは重要な能力であり、変革のための大切な行動です。

74.4 ないものを創りだす

ビジネスにおいて最も困難なのはないものを創りだすことです。変革といえば多くの人はこのパターンを想定するでしょう。 ただ、本当に無から有を創りだすことは殆どなく、多くの場合、存在するものの組合せやちょっとした利用上の工夫から生まれるものです。 新しい仕掛けを創りだすのに最も大切なことは、何をどうしたいのかという目標を明確に設定することです。その目標に至るプロセスとそこに組み込む仕掛けの要素、すなわち、思考、概念、システム、技術、行動、などの組合せをいかにうまく組み立てるかにあります。そこでも、大切なのは常日頃使われている概念や方法の組合せであり、いろいろなビジネス環境の変化の中でどのように対応できるかの緻密な分析能力から生まれます。 それらは革新的新技術ではなく、他の人がやっていない隙間を突くこと、通常やられていることの新しい組み合わせ、努力による限界の打破などから生まれます。ビジネスにおける革新は他人に追従されることが殆どですから実行のタイミングと先行性が重要なことは言うまでもありません。