どこでもビジネスアナリシス (75)

75 変革のパターン-発想を変える

75.1 先を読む、裏をかく

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ビジネスは競争です。新たなことを実行する場合には先行性が大切です。後続者との差の維持が勝負でもあります。次に何が起こるかを読み、それを先行して実行することです。変化の方向を早く察知することです。そのためには常に変化を意識して監視し、分析することです。先行者利益は重要です。誰かが追いつくまでに利益を確保することです。 一方、誰もが必死で考えていることの先を読むことはとても難しいことですが、一つの方法として多くの人が考える方向と異なること、反対のことを考えることは時に効果があります。裏をかくことです。皆が大きくすることを追究するときに、小さくすることを考えてそこから効果を見つけます。速いことを求めるものに対して遅くすることで効果を求めます。全く発想の異なる製品やサービスを提供することも同じです。常識を外れた発想が必要です。容易には見つからないと思うでしょうが、意外とアイデアはあるものです。課題は実行の決断力です。現在から発展する多方向へ広がる絵を描いてみてください。

75.2 異なる分野のアイデアを活用する

新しいビジネスの成功例を見ますとその構成要素は日常どこにでもある発想であることが多いと言えます。全く新しい発想はそんなにあるものではありません。どこにでも転がっていることの視点を変えて見たり、使い方を変えて見たりすることにより革新的な行動が生まれます。手法や技術を全く異なる分野から取り込んでくることも効果的です。異なる分野からのアイデアを自分のビジネスに転換する能力が求められます。むしろ異なる分野にこそ、自分の周りでは使われていないものが豊富にあります。他の分野で実行されていることを単純なモデルとして自分の分野にどう適用するとどんな効果が生まれるかを考えることは有効です。他の分野で利用されている思考や技術には興味を持たないことが多いのですが、そこにこそ革新の種の宝庫があります。

75.3 組合せを変える

製品、サービス、ビジネスシステムなどはそれを構成する多くの要素から構成されています。言い換えればビジネスを構成するあらゆるシステムは部品の組合せなのです。それらの構成部品には特殊なものは何もなく、殆どが汎用的なものです。汎用部品を組み合わせると特別な機能を発揮するようになります特別な機能をさらに組み合わせると時としてとんでもない効果を持つシステムとなります。このようなシステムの構造を考える時、その構成要素の一つを変えるだけで大きな効果が生まれることがあります。組み合わせを変えるだけでシステムの機能は大きく変化します。一つの部品が障害となって全体の行動を止めているかもしれません。この部品は、実行の機能であったり、システムの要素であったり、人間であったり、組織であったりすることがあります。同じ要素の組合せであってもその順序を変えるだけで全く異なる成果が生まれることがあります。

75.4 もう一度やってみる・・・環境は変わっている

いろいろと試行してみるといろんな挫折を経験します。うまくいかない時にすぐに諦めてしまっていないでしょうか。なぜうまくいかないのかの分析とその検証をきちんとやっているでしょうか。本質的に成功の可能性の低いことをやってしまうこともありますが、実行のタイミングが適切でないために失敗することは良く起こります。ビジネスは環境の中で運営されていますので時々刻々と環境との相互関係は変化します。実行内容は複数の実行機能の組合せで構成されていますので、環境の現状との相性を分析し、再度現状を認識してもう一度やってみることは非常に大切です。一部の構成機能を環境に合うように入れ替えることもより効果的かもしれません。