どこでもビジネスアナリシス (92)

92 ビジネスアナリシスの心理学

92.1 ビジネスアナリシスを意識する

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何かを達成したい時に最も大切なことは、実行しようという明確な意識を持つことです。 実行するための高度な知識や技術や理論が重視されることが多いのですが、どんなに素晴らしい能力を持っていてもそれらが利用されなければ何も起こりません。 反対に、十分な知識や技術や理論がなくても、達成したいという強い意識をもっていれば、その解決方法を見つけることが可能です。実行には行動する人の心理状態が強く反映されます。

ビジネスアナリシスは、自分が存在する状況や環境に応じて、どうやって課題を目標に到達させるかという方法を導くガイドです。その構成要素はどこにでもあり誰でも知っている手法であって、それらの組合せなのです。何をどのように並べて、どう利用していけば効果的に目標に導くことができるかの道具だと言えます。 ビジネスアナリシスとは、あたりまえと思っている自分の知識や技術をどのように利用していけば効果的な結果に導いてくれるかを教えてくれる道具であると理解してください。見落としていたことや、気付かなかった方法も教えてくれます。 それらを謙虚に学び考える意識が効果をもたらします。 技術ではなくまず心理的状態が大切です。 

92.2 実行するという信念が人を動かし全体の動きを育てる

目標を達成するには行動を起こさなくてはなりません。 行動には計画を作ることとそれを実行することの二つの要素があります。その前に行動の目標を決めることが必要です。何をどうしたいのかということです。何ができれば成功かという指標でもあります。 目標を達成するにはいろんな方法や経路があります。それを決めるのが計画です。行動するには直線的な道、回り道、容易な道、険しい道、ときには越えられない谷があるかもしれません。いろいろな障害が発生することもあります。それらを回避し、乗り越え、打ち破って目標に近づかなければなりません。その間に多くの人の協力と努力そして支援が必要であって一人で達成することは多くの場合困難です。その力を結集して推進するのは実行するという信念と実行する人々の合意です。それにより、参画する人々の知恵と技術と行動を結集して前進することができます。結集する力が大きければさらに大きな力が生まれます。リーダーの信念が全体の動きを育てます。

92.3 集中すれば見えてくる

いろんな難問に遭遇することは常です。どう乗り越えるかの選択に迷うことがあります。手段はひとつではありません。異なる選択を試して何が困難か、どうすれば解決できるかを考えます。いろいろな視点から検討します。実行の条件をいろいろと変えてみます。思考を集中して手法や条件を組みあわせて取捨選択していくと解決策が見えてきます。どこかに必ず通り道があります。一つのルートが見つかると不思議なことにその周りに他のルートも見えてきます。その中から、最適なものを選ぶことにより効果的な解決策にたどり着くことができます。

92.4 可能であるという心理が実現に導く

選択した解決策にもまだ種々な課題が残っています。より効果的に解決しようとするならば、新たな課題が見えてきます。それらをすべて解決してできるだけ理想的な結果に導きたいものです。ある程度の解決策が見えると妥協したくなるものですが、その先のもう一段高い目標へのチャレンジをしてほしいと思います。可能であるという信念を持ってさらに挑戦することにより実現に導くことができます。論理的、物理的に可能であることを、心理的に諦めてしまっていることがあります。可能であるという強い心理状態は困難を可能にすることができます。本来可能であったルートを発見することができるのです。そこでは諦めない行動力が必要です。