どこでもビジネスアナリシス (93)

93 変化は重要な指標

93.1 変化は最も重要な視点

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ビジネスは常に変化していますが、その変化を予測できれば経営戦略にとって非常に有利な立場になることは明白です。 経営指標の監視において、絶対値や相対値の他に変化の傾向を常に分析していくと大きな動きを早期に捕捉することができます。現在では、多くの経営指標が常に記録されていますので多角的な視点から変化を見ることは比較的容易ですが、課題はどの変化が真に重要なのかを見極めることができるかです。変化を捉えることは現象の結果を見ていることですから、なぜその変化が生じているのか、なぜそのような動きをしているのかを見極めることが大切です。現象として見つけにくい変化、構成する変化が相互に打ち消しあっている気の付かない変化を見つけることも大切です。言い換えれば、変化のないことに疑問を持つことも重要です。

93.2 変化のパターン、関連指標の変化を知る

変化は何らかの現象の結果が可視化されたものであって、それ自体が突然現れることは少ないと言えます。いろいろな現象の複合的な組合せです。場合によっては変化の根源がとても遠いところにあることさえあります。一つの変化が起こるとそれに伴って次の変化が誘発されることがあります。その連鎖がとんでもない大きな結末に至ることさえあります。変化にはいくつかのパターンがあります。一つの変化が起こり、そこでとどまる変化、変化が次の変化を誘発し影響範囲を拡張していく変化、ある程度の変化の後反動を受け元へ戻る変化、さらにそれを繰り返す周期的変化などです。当然これらの複合的なものがあります。これらのどのパターンに属するのかを早期に判断することはその対応をどうするかの策を効果的に決める上で重要です。そのためには、関連して起こっている変化、すなわち原因としての変化を捉え、その傾向を捉えることが重要です。

93.3 大きさの予測、長い変化、短い変化、繰り返す変化

変化には上述のようにパターンがありますが、最も重要なのはその大きさの予測でしょう。 ビジネスへの影響は、大きさとその継続時間の掛け算になりますので、影響からいかに早く抜け出せるかあるいは利用するかが鍵になります。ビジネスにプラスの効果を持つ変化ではその変化をいかに継続させるかの策が必要になります。 変化の発生までの時間、継続時間、周期性はまちまちです。変化による対応策を考える上ではいかに早期に変化の発生に気付くことができるかは重要ですが、観測された変化が短時間で終息するのか、継続するのか、さらに進行するのか、あるいは元へ戻るかの判断は実務への影響を判定する上で非常に大切です。予測可能な変化に対しては、通常その対応策を準備しておくことが必要であり、できればその影響の回避策あるいは継続策をとるか回避や継続行動の着手判断の規準を準備しておくべきでしょう。突然現れる変化、あるいは予想に反する結果などは通常短い変化であり日頃から想定外の事象への対応策を準備しておき、感知した時の行動判断が即座にできる日常の訓練が求められます。

93.4 変化の先行指標と心理的行動

変化は突然現れることが多いのですが、よく注意していればその先行現象が観測されることが多いと言えます。グローバルに見れば世界経済の流れ、景気指標の動き、原料資源の過不足、などから身近には消費者の嗜好変化、新技術の出現、競合の行動、価格競争、為替変動などその範囲は多様です。一方では消費者や経営者、投資家の心理的判断はローカルなビジネスにまでも影響を与えることは少なくありません。これらの変化の連鎖的反応を先行指標として判断することにより設備投資の時期などのリスクを回避することは有効です。