どこでもビジネスアナリシス (95)

95 ビジネスアナリシスとビジネスアナリスト

95.1 ビジネスアナリシスは誰がやるのか

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ビジネスアナリシスは誰が実行するのでしょうか。 「どこでもビジネスアナリシス」の視点からすれば誰がやってもかまいません。 ビジネスアナリシスはビジネス上の課題を認識したり、課題解決の方策を検討したりすることを効果的に実行するための方法論ですから、対象とする課題や問題のレベルによって、トップマネジメントから課題の担当者までが自由に応用し実行することができます。一人で実行できることは少なく、多くの場合には複数の人たちが参画し、場合によっては組織全体で実行することもあります。 ただ、課題解決の行動は誰かが取り纏めなければならないのでその取り纏め者をビジネスアナリシストと呼んでもかまいません。そのような人は、実行計画のプロジェクトマネジャであったり、実行の責任者であったり、システム開発の取り纏め者であったり、あるいは部門組織の長であったりします。そのような取りまとめをする人が効果的、かつ効率的にその行動を構築し実行するための手段や方法がビジネスアナリシスであると理解すればよいでしょう。

95.2 ビジネスアナリシスは専門技術か

どのようにすればビジネスアナリシスが実践できるのでしょうか。 日頃、ビジネスアナリシスの概念を意識しなくても日常の業務を処理しています。 それらは、決められた規則に従って実行する場合もあれば、臨機応変に対処することも少なくありません。大きな計画ではプロジェクトを組んで計画を作成します。そのような計画はそれぞれの担当者の知識と経験によって作成され実行されます。ただ、その計画の立案や問題解決の策定方法は個人の能力に左右され、効率的であるとは言えないところがあります。そこで役立つのがビジネスアナリシスの体系的な概念と手法です。ただ、ビジネスアナリシスを構成する個々の技術や方法はどこにでもある技術の組合せが多く、誰もが知っているものが殆どであることを考えるとそれらは特殊な専門技術であるとは言えません。むしろ問題解決をするプロセスの構築やその判断、実行する概念などがビジネスアナリシスだと考えられます。ビジネスアナリシスを意識することで、そのような概念や技術の組み立てが効果的に実行できるのです。 

95.3 日常業務スキルとしてのビジネスアナリシス

日常の業務は現実を認識すること、考えること、その結果として意思決定をすること、それを実行することの連続です。考える場面において漠然といろんなことを考えていたのでは効率が悪く、見落しも生じまず。ビジネスアナリシスの概念を身に着けることにより、次々と発生する日々の課題に対して、迅速にかつ合理的に検討し、判断することが可能になり、日常業務の意思決定と実行の効率が向上することが期待できます。このような実行プロセスが業務文化になることにより,個人ばかりでなく、組織としても大きな効果を得ることが期待できます。

95.4 専門家としてのビジネスアナリスト

ビジネス上の諸課題をシステマティックに考えることは誰もが日常的に実施しようと努力していいますが、深い知識をもって問題を分析し、評価し、実行計画を策定し、結果を判断することを専門的に扱う人たちが生まれつつあり、そのような人たちをビジネスアナリストと呼んでいます。 ビジネスアナリストの業務は広範囲に及びますので対象課題によってはいろいろな職種の専門家であったり、企画部門の責任者であったり、それらを纏めるプロジェクトマネジャであったりすることもあります。ビジネスアナリストは組織に属する担当者であることもあれば、コンサルタントのように独立した外部の専門家であったりしますが、専門家としてビジネスアナリシスのより広い知識と能力を提供します。名称は何であれビジネスアナリストの責務を果たしている人はすでに多く存在します。