アジャイル・ビジネスアナリシス (5)

デリバリー・ホライゾン

 デリバリー・ホライゾンの目的は

ソリューションデリバリーについての決定を通知することです。 そして、

  • ニーズについての共通理解があることを確認し、ニーズを満たすアクションのバックログを特定して優先順位を付け、成果を評価する手段を確立します。
  • ビジネス・ゴールに至るように要求をマッピングします。
  • ユーザー・ストーリーをスライスして詳細化し、チームがソリューションの動作するインクリメントとして実装できるようにします。
  • このインクリメントはバックログ項目に追加され、実装可能なビジネス価値の単位へと洗練され、さらに詳細化されます。
  • テストや顧客の評価によるフィードバックを受け、バックログから項目を作成、変更、再優先順位付け、削除します。

要素

デリバリー・ホライゾンで実践するべきこと(要素)は以下の通りです。

1.ユーザー・ストーリーのReadyを確実にする

(直後に実装する分だけ:ジャスト・イン・タイム)

  • よく構成された物語が含まれている
  • 明確で、簡潔で、正確な受け入れ基準のセットを提示している。
  • 望ましい実装単位を表すものとして受け入れられている。
  • 達成可能な開発単位を表している。
  • バックログ内で明確に優先順位が付いている。

 

2.バックログの保守

2つの基本要素

  • バックログ項目の優先順位付け
  • 直近の開発作業にを支援するのに十分な項目のバックログへの確保

Agile_BABOK_スクラム_2020年12月10日

上図のように、n回目のスプリントの間にその直後に実装するべきストーリーの要求を分析したりしてスプリントバックログの項目を確保するようにします。

3.デリバリーの成功をサポート

  • ストーリーに関連する順序付けと依存関係の適切な処理、
  • 外部チームおよびステークホルダーとの調整(チームは開発に専念)、
  • 現在実装中の項目に関する明確な質問への回答など

ビジネスアナリストのリーダーシップの発揮のしどころです。チーム・エンゲージメントを高めることが極めて重要です。

4.アジャイル・コンテキストでの学習を確実に行われるようにする

  • 学習がより良いアウトカムを達成するために使用されるようにする。より良いアウトカムは、定量的または定性的に説明できる。
  •  次のデリバリー・サイクルでどのデリバリー・プロセスを変更、保持、または停止する必要があるかを検討する
  • レトロスペクティブは、多くの場合、継続的なデリバリー・プロセスの向上を目的とし、最新のデリバリー・プロセスからの学習について議論するために使用される。
  • 最新のインクリメントで提供された価値が期待されたものであったかどうかを検討し、必要に応じてイニシアチブまたは戦略ホライゾンにフィードバックする。

5.プロダクトビジョン、顧客、価値に焦点を当て続ける

  • ビジネスアナリシス・テクニックとアジャイル・ビジネスアナリシスの原則を適用して、求められている価値を提供し、プロダクトビジョンを達成することに重点置く。

 

フィードバックと学習

  • フィードバックは陣族で、理想的には小さな塊で行う
  • 実装されたストーリーからフィードバックを評価
    → 価値をもたらす可能性のあるもの、そうでないものを特定
    → バックログを洗練
  • バックログ項目の、優先順位を変更、変更、削除
  • 新しいストーリーを追加できる。
  • フィードバックは、レトロスペクティブやレビューなどの構造化されたプロセスのほか、日常的なやりとりや実装を通じて非公式にも行われる。

 

アジャイルBA原則の適用

・全体を見る

・顧客として考える

・価値あるものは何かを決めるために分析する

・例を使って真実を得る

・実行可能なものは何かを理解する

・コラボレーションと継続的改善を促進する

・無駄を省く