どこでもビジネスアナリシス 2

2 ビジネスアナリシスって何だろう

2.1  人は常に何かを解決しようとしている

人は、常に何かを解決しようとしています。 これはビジネスにおいてだけでなく日々の生活においても同じであって、広く社会的活動の全てにおいても同じです。 これらの解決のための概念やそれを構成する手法、技術はほとんど同じであり共通であることがビジネスアナリシスを理解すると明確になります。 その共通な基本概念を理解し実行することがビジネスアナリシスの基礎と言えます。

 2.2  「ビジネス」と「アナリシス」

「ビジネス」とは何か「アナリシス」とは何かを考えてみたいと思います。 「ビジネス」は何でも良いのです。 何らかの目標をもってその実現のための判断とそれに基づく行動であれば構いません。 単純な行動でも構いませんが、一般にはいろいろな問題が複雑に絡んでいることが多く、いろんな要素や関係が含まれていてもかまいません。 むしろ複雑な方がビジネスアナリシスらいしいとも言えます。 「アナリシス」は一般的な日本語に訳しますと「分析」でしょう。 分析はビジネスアナリシスの主要な部分の一つですが、それだけではなく分析の種々な方法、分析結果の評価、それによる意思決定、新たな戦略の選択、その実行、結果の評価、必要な修正行動まで多くの行動を含むと考えてください。 言い換えれば何でも含まれます。 このような「ビジネス」と「アナリシス」を掛け合わせるとビジネスアナリシスになりますが、広く人間社会に存在する目的を持った人間の行動すべてが対象になると理解してよいでしょう。

 2.3  ビジネスアナリシスとは何だろうか          

ビジネスアナリシスという概念をビジネスのいろいろな問題解決に生かそうという努力が始まってからすでにかなりの時間が経過していますが、ビジネスアナリシスとは何かという定義はどうも明確ではないようです。 明確でないことは良いことでもあります。 なぜならば、柔軟に解釈して自分たちの目的に合うように活用すればよいからです。 言葉の定義は明確ではないかもしれませんが、その目的はほぼ明確です。 ビジネスにおける問題の解決と、その方法の最適化、言い換えれば最も効率的かつ効果的な問題解決方法の道具箱だと理解してください。 道具箱の中には道具だけではなく、設計図の書き方、材料や道具の使い方の説明書も入っています。 すなわち、問題解決の手法やプロセスの議論にとどまらず、その実行と結果までをすべて対象と考えてください。 どんな高度な手法を使っても、結果が伴わなければ価値は生まれません。 どんな高度な道具を使っても使いこなさなければ良い作品はできません。 机上の議論だけでは何も生まれてきません。 実行することが必要です。 説明書に従って利用すれば効果的に上達することもできます。 道具は使いこなして腕を磨くことが必要です。 良い指導者の下では早く上達し、良い結果を期待することもできます。

2.4  思考の構造とプロセスとテクニックの体系化された問題解決の概念

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ビジネスにおける問題解決の方法論はこれまでにいろいろと議論され、今も多くの議論が続いています。 そのひとつがビジネスアナリシスなのです。 ビジネスアナリシスは、これまでに実行されてきた多くのビジネス上の課題や問題への対応方法となんら異なるものではないと思います。 新しく高度な手法でもありません。 日常実行されている問題解決の考え方の構造と、プロセスや手法を実務において活用しやすいように体系化され、一般化された問題解決の概念であると考えると分かり易いと思います。 構成要素は平易であり誰にも理解しやすいものばかりです。 換言すれば、あたりまえのことをあたりまえにできるように整理した概念です。