どこでもビジネスアナリシス (47)

47 トータルで考える

47.1 興味の一点に集中しがち

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ビジネスにおいて、何かの不都合あるいは弱点を見つけるとそれらを直接修正しようとする意識が働くことはマネジメントにおいてよく起こります。欠点に気付くことは良いことなのですが、最初に気付いた欠点に意識が過度に集中することは珍しくありません。場合によっては目に見えた欠点と、結果として現れた業績上の問題とは別の問題であることもあります。何らかの現象を発見しそれに興味を持った時には、それがどのような関係の中でどのような位置にあるのかを冷静に判断することが大切です。

 

 

47.2 総合的に考えて本当に最適か

何らかの課題を解決しようとすると、それを取りまく環境には多くの要素がありそれらが複雑に絡み合って動いています。着目した事象のみを修正しようと努力した結果、他のところに別の悪い影響を与えることもあります。システムの改善を図ったつもりが、対象分野は良くなったのですが、それを取り巻く周囲業務での処理が異常に増えた、主要ラインのジャストインタイムでの部品供給を試みたところ、周囲作業の負担とコストが異常に大きくなったなどは良くある例です。このような問題では、総合的に考えた最適化による計画が必要であることは言うまでもありませんが、結果的として総合的に効果的であることの評価をした後に着手することが必要です。

47.3 時間変化を考える

ビジネスは時間の経過の中で実行されています。過去の最適、現在の最適、将来の最適、はそれぞれ異なりますし全く反対であることさえ起こります。ビジネスは周りの環境の中で運営されていることの認識の重要性は何度も指摘してきたことですが、そうはいっても目前の課題解決や将来の計画では環境の変化を予測しないと何もできません。予測とは、我々の経験からの判断ですが、単なる予感ではなく、その裏にある現象の関係、数値的分析など論理的に判断できる要素も多く存在します。ただ、それらの時間的変化が相互に影響した時に自分の対象とするビジネスにどのように影響してくるかを判断しなければなりません。多くの場合には経験的路線上を動きますが、突然脱線することも多々起こります。 昨今では、ビジネスの動きを先読みして行動する企業や環境も多いので意図的に違う方向へ動かされることも頻繁に起こり、その予測はさらに困難になっています。

47.4 その先どうするか

いろいろな計画や戦略を策定した時にその通りに実行できることはむしろ少なく、組織内部あるいは周囲環境からの種々な影響を受けて当初計画から違ったものになることは普通です。従って、計画の策定時にどのように変わるであろうかという予測をして、それに対応する手段を考えておくことは有効です。いわゆるコンティンジェンシープランです。 外部の変化に対しても、結果への影響を承知の上で当初計画通りに実行する場合もあります。そのまま実行するリスクと、変化に追従するためのコストと成果とのバランスにより判定されます。当初の計画を完成させ、即刻次の手を打つ場合もあります。計画時に最悪のケースを考えておき、その場合の対処方法を準備しておくことも効果があります。マイナスのケースばかりでなくプラスの誤算もあります。プラスの場面で放置するならば、機会損失を生むことになりますが、そこでも放置する損失と対応による効果の評価が必要です。

実行過程における変化への対応のほかに、現在の計画が完成した時点で次にどうするかを考えておくことにより、次の段階への進展が容易になり、実行の連続性による高効率な行動が可能になります。その先どうするかを常に考えながら計画と実行を繰り返すことにより、思考の連続性と段階的推進の効果が得られます。