どこでもビジネスアナリシス(50)

50 攻めは多方面から

50.1 攻める方法を変える

ビジネスではいろいろな困難にぶつかるのは日常茶飯事ですが、それらの困難を解決していかないと次の段階には進むことができません。最も常識的なのは攻める方法を変えることですが、目標と対象によってその方法は千差万別です。右から攻めてダメならば左から攻める。強く出てダメならば弱くでる。時には裏から攻める。やみくもに攻めるのではなく、反応を見て変化する。どこかに突破口があるはずです。まず、何が起こっているのかを見極めることが重要です。

50.2 競争相手を避ける

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ビジネスでは殆どの場合競争相手があります。それらの相手にどう勝っていくかが成功への鍵です。競争相手の実力と欠点を知ることが大切です。 力で勝つか技で勝つかの戦略も大切です。自分たちは相手の実力を凌駕することができるかの判断、どのような戦略をとれば効果的に勝てるかの判断、こちらの実力が劣っていても相手の欠点を突くことで突破できることもあります。逆に、こちらの力が強くても相手の策略に遭えば負けることもあります。どうしても勝てそうもない時には競争相手を避けて正面からの勝負を避けることも選択肢です。

 

50.3 自分の得意技は何か

これまで自分たちが成長してきた基盤背景は何かという認識を持つことは重要です。 製品やサービスであるかもしれませんし、伝統的な固有技術かもしれません。技術開発力かもしれません。 柔軟なマネジメント能力かもしれないあせん。 あるいは、他の組織との協調による総合力かもしれません。 今まで事業を成功裏に推進してきた何かの得意技があるはずであってそれを認識してさらに強化することは今後のビジネス推進の強い背景になります。長期的に成功してきた組織では、時間と共に得意技が変化してきたかもしれません。あるいはこれまでの得意技がそろそろ衰退してきたかもしれません。新たな得意技を構築する時期なのかもしれません。そのような判断ができるのはマネジメントの判断力です。そのような判断力を持っているならば、それも得意技のひとつでしょう。

50.4 すきまを攻める

製品、事業、サービス、などは多種多様であって、同じ事業の中にも多様な分野があります。 大きな市場を持つ分野では早期参入者がその利益を確保することが多いのですが、多数の組織が参入し熾烈な競争が展開されます。 一方、後発の利点を生かして低い参入コストと多量合理的経営を武器に先行者の市場を奪っていく現象も珍しくありません。多くの場合大量生産される日用品製品で顕著に起こる現象です。

一方では、市場規模は限られていますが、一般製品の隙間を埋める特徴的な製品やサービスがあります。それらの製品やサービスは高度な技術を持った材料や製品、特殊な能力を持った事業者しかできないサービス、であり、容易にまねができない分野が殆どです。また、市場が限られているので後発者が開発投資をしても回収が容易ではない分野でもあります。さらに、このような分野では、規模は小さくても、ひとたび市場が形成されると先行者が確固たる基盤を築き、後発者の参入は技術的にも事業的にも容易ではないものが多く見られます。

競合の激しい分野では、少し異なる付加価値をつけた視点からの製品やサービスを提供することで直接の競争を回避することが効果的です。 そのためには利用者が魅力を感じる特徴に加え、追従者が容易にまねできない技術や知的所有権による保護の仕掛けを構築することができれば強い立場を維持できます。