ビジネスデータアナリティクス (2)
ビジネスアナリシスとビジネスデータアナリティクス
ビジネスアナリシス
- ビジネスアナリシスは、ニーズを定義し、ステークホルダーに価値を提供するソリューションを推奨することにより、エンタープライズにおけるチェンジを引き起こすことを可能にする専門活動です(BABOKより)。
- ビジネスアナリシスのツール、テクニック、コンピテンシーはアナリティクスの作業にビジネスのコンテキストを提供することによりアナリティクスのイニシアチブをより効率的にし、向上させることができます。
- ですからビジネスアナリシスはアナリティクスの問題の焦点を定義し、イニシアチブにわたるスコープを設定し、データの収集やデータ収集プロセスの実行の支援も行いますので、情報に基づいたビジネス上の意思決定の実施を促進することができます。
データアナリティクスの専門領域
- データアナリティクスの専門領域はトレンドやパターンを観察、予測するシステマティックなプロセスにおけるデータ分析に焦点を当てます。
- そして代表的なプラクティスは、ビジネスアナリシスの支援によって整理されたデータをソート、加工、分析することに使われます。
- 一旦、収集されたデータの分析が完了したら、ビジネスアナリシスの活動がデータアナリティクスから得られた結果を解釈し、情報をビジネス上の意思決定へ変換することになります。
ですからデータアナリティクスをデータ分析に焦点を当てたビジネスアナリシスと見て、ビジネスアナリシスの特定分野もしくはサブセットと考えることもできます。
しかし、ここでは、ビジネスアナリシスとデータアナリティクスの専門領域を別々に扱うものとします。この書籍では、ビジネスデータアナリティクスをビジネスアナリシスとデータアナリティクスの専門領域の両方の面を含み、エビデンス駆動型のビジネス上の意思決定を通じてより良いビジネス成果を創造するために利用される専門的研究領域と見なします。
ここで議論するビジネスアナリシスとアナリティクスのコンセプトは、アナリティクスのイニシアチブを通じてエンタープライズに価値を生み出すために、ビジネスアナリシスとデータアナリティクスの両方のプロフェッショナルにとって同じように有用です。
これから、一般的にビジネスデータアナリティクスの作業の実践と活動について解説します。重点は、ビジネスデータアナリティクスを実行するためにビジネスアナリシスのスキルが重要となる領域です。作業を実行する上で責任を負う肩書きを特定することではありません。
これから次の6個のビジネスデータアナリティクスの領域に分類して解説します。
- 調査課題を特定する
- データを入手する
- データを分析する
- 結果を解釈し報告する
- 結果をビジネス上の意思決定に活用する
- ビジネスデータアナリティクスの組織レベルの戦略をガイドする
次回は最初の領域「調査課題を特定する」を解説します。